
安値圏の任天堂がさらに急落
個人投資家も関心が高いと考えられる任天堂が急落しました。決算が失望された急落と考えられますが、右肩下がりの展開になっていたので、塩漬けにしてしまった投資家も多いと思われます。今回は、塩漬け株の対処法についてレポートします。
本日の株式市場の大きな話題は、「任天堂ショック」ともいえる任天堂の急落です。昨日発表された2011年4~6月期の連結営業損益が377億円の赤字となり、四半期決算で初の営業赤字となったことが投資家の失望につながったようです。
ただし、株価の方は「長期の右肩下がり」になっていて、株価水準は震災時の安値を大きく下回っていましたので、業績悪化をかなり織り込んでいるのではないかとも考えられました。しかし、寄り付きから売り気配となり、昨日の安値水準からさらに20%を超える急落となっています。
任天堂は誰でも知っているゲーム機の大手ですし、企業としても高い評価を得ていますので、「長期保有の個人株主」も多いのではないかと考えられます。
しかしながら、任天堂の本日の株価水準は2005年以来の安値ですから、この期間に買って保有している人はすべて「塩漬け株」になってしまったことになります。


「任天堂だから持っていて安心」とか「任天堂のゲームが好きで応援している」といった気持ちもあるかもしれませんが、持ち株が塩漬けになってしまうと気分が滅入ってしまうと思います。
任天堂のように、個人投資家が抱える投資の悩みでいつでも出てくるのは、塩漬け株の対処法です。株式投資の経験が長い人の多くは、任天堂に限らず、数銘柄の塩付け株を普通に持ってしまっていると思います。
どうして塩漬け株を作ってしまうのかといえば、投資に対する考え方が大きいのではないでしょうか。「今は買い値を下回っているが、売らなければ損ではない」という考え方が、塩漬け株を正当化してしまう考え方です。これは、買ったあとに売って確定したものだけが「損益」だという考え方ですから、すべての投資で勝ちたいという気持ちの裏返しだと思います。
こういう考え方で投資をしますと、上がった銘柄だけ売るようになります。いいかえますと「勝率を100%する」投資手法ともいえます。
しかし、この考え方で投資をしてしまうと、「損した銘柄は上がるまで売らない」という投資行動になってしまいますので、売買をすればするほど塩漬け株を作ってしまいます。投資を続けていけば、最後に全て塩漬け株にしてしまい、株式市場全体が大きく回復するまで投資はお休みになってしまいます。
また、下がりだすと「少しでも戻ったら売ろう」という考え方で塩漬けにしてしまうことがあります。最近の任天堂のチャートを見てもわかるように、「きれいな右肩下がり」になっていて、小さい反発はあっても、損切りを決断するほどの反発がありません。


右肩下がりの銘柄を持っている投資家の考えは、「戻ったら売ろう」→少し戻っても「あと少し」と考えて売れない→再び下がって安値を更新→さらに評価損が増えるので「戻ったら売ろう」と最初に戻ります。右肩下がりの銘柄を持っていますと、この「塩漬け株作成サイクル」の思考に陥ってしまいます。
やがて「もう売ってもしょうがない」くらいに評価損が広がってしまいますので、しばらく動きも見ない完全な塩漬け株になってしまいます。
大きく下がっていても、「右肩下がりで下げ続けている銘柄は除外した方がよい」ということを、今の任天堂のチャートが教えてくれています。チャートは企業の成長性や投資家の人気を反映していますので、長期で右肩下がりになっているのであれば、企業業績が悪化し続けている可能性がありますから、安くても買う候補から除外した方がよいといえます。
塩漬け株を作らないためには、まず買うなら株式市場の底値圏に限定することです。そうすれば、すでに大きく下がっていますので、買ってから大きく下がるリスクを減らすことができます。
そして、すべての取引で勝とうと思わないこと、長期で右肩下がりの銘柄を「値ごろ感」で買わないこと、買ったら上がっても下がっても、売って仕切り直すことを優先すること、を徹底すれば、塩漬け株を作らない投資を続けることができると思います。
「言うは易く行なうは難し」ですが、考えないと行動にもつながりませんので、塩漬け株を作って困る前に、心構えのコツを覚えて欲しいと思います。
レポート担当 : ケンミレ株式情報 市原 義明

