過去の投資環境は? 相場はどう変化しているのか?今を知り、未来を読むためには過去の情報も随時追いかけることが重要です。今回は7月28日(木)の金融・経済情報をお送りします。
■海外投資家の日本観/
日本経済の「ポジティブ面」に注目=変化の胎動
クレディ・スイス証券チ-フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は、海外投資家の日本経済に対する関心が高まっているとして、「弊社日本経済チームに対する海外投資家からの問い合わせはここ2、3 週間急激に増加しており、変化の胎動が感じられる」と語る――。
<海外投資家からの問い合わせは、ここ2、3 週間急激に増加>
(1)今思い起こせば、2005 年はいわば日本ブームの年であった。小泉政権の構造改革にモメンタムが付く中で、"郵政解散"というイベントが日本に対する関心を大きく高めた。足元の状況を2005 年の状況と同一視するのはまだ早いが、動きは似ている。弊社日本経済チームに対する海外投資家からの問い合わせはここ2、3 週間急激に増加しており、変化の胎動が感じられる。
(2)最近の海外投資家(特に米国投資家)の動向で注目されるのは、日本担当者を増加させる動きがあることである。株式・債券運用のファンドマネジャー、ストラテジー・経済分析担当者、アセット・アロケーターなどの分野において、日本担当を新設ないし増設する動きがあるとみられる。アジア他国(韓国など)の市場と同時に日本市場を担当させる、というこれまでの社内構造を変更し、日本専担を設ける動きが加速している模様である。実際、「日本経済を改めてウォッチしていくことにしたので、データベース構築を手伝って欲しい」といった要請が増えている。
■日銀:国債引受論/
政府は重い借金から解放vs.低所得者・高齢者は生活苦へ
東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満さん(Mitsuru Saito/Chief Economist, Tokai Tokyo Securities Co.,Ltd.)は27日、欧州や米国だけでなく日本の財政も困難に直面しているとして、与党内に広がる日銀による国債引受論について次のように語った――。
今週、第2 次補正予算が通ったが、特例公債法案に目処が立たないこともあって、3 次補正予算は全く展望が開けない状況だ。その裏で、政府は復興財源として5 年程度の間、10 兆円余りの規模を想定した復興増税を検討している。
これに対して、政府与党内には、馬渕前国交相のように、増税ではなく国債を発行して日銀に引受させ、これによってデフレや円高から脱却する、との考え方が拡がっている。しかし、この考え方は事実誤認のうえに、国民の了解なしに、インフレによって国民の所得、資産を強制的に政府に移転させるもので、政府は重い借金から開放される一方で、低所得者や高齢者の生活が脅かされることになる。これを自民党ではなく、国民生活の安全・安心をうたった民主党が主張するために、一層政府与党への批判が高まる。その問題点を以下に示す。
未だ固まらない共和党大統領候補リスト
通常であれば、大統領選の行われる年の前年の8月には、民主党にしても共和党にしても大統領候補が既に出揃い、その中で2-3人の有力候補が資金集めでも知名度でも支持率でも頭角を現し、秋に向けてその支持を更に高めてゆくという過程が進行します。しかし今年は、有力候補の出馬表明が非常に遅れたことに加えて、出馬の可能性のある有力候補でまだ態度をはっきりさせていない人物が2人存在するために、共和党の大統領候補指名争いは依然としてはっきりしたことが言えない状態にあります。2人というのは勿論、テキサス現州知事のリック・ペリーとアラスカ前州知事セイラ・ペイリンですが、2人とも出馬すればすぐにも1、2を争う有力候補になる可能性が高いだけに余計に落ち着かない状態が続きます。
リック・ペリーはますます出馬に傾いていると言われ、共和党の有力者(例えばドナルド・ラムスフェルト元国防長官など)がテキサスに行って、出馬を想定してペリーに助言を与えるようなこともやっています。最新のフォックスニュースの世論調査では、出馬を表明していないペリーがフロントランナーのミット・ロムニーと大差ない支持を集めているという結果がでており、一度出馬を表明すればペリーが一気にフロントランナーに躍り出る可能性があります。しかもそのペリーが今週、アニタ夫人から出馬OKの承認を得ていることを披露したこともあり、ますます出馬への期待感が高まっています。少なくともリック・ペリーが出馬か不出馬かの態度をはっきりさせるまでは、共和党大統領候補指名争いの行方は全く占うことができません。
■米国株大幅続落/
下落基調に入ったとは見込んでいない「2つの理由」
オフィス セントポーリア代表の馬渕治好さん(Haruyoshi Mabuchi:CFA/ President, Office Saintpaulia)は、昨日27 日に米国株価が大幅下落したことに関して、「心理的に下落した株式市場が、心理的に政治を追い詰める」と語った――。
この米国株の大幅下落については、今後も目先は続落の可能性があり、本日(7/28)以降のアジア株式市場にも下押し圧力として働こうが、下記に詳述するように、米国株価が下落基調に入ったとは見込んでおらず、必ずしも凶兆であるとも考えていない。
■超円高と株価堅調/
空洞化でマクロ低迷しても、グローバル企業は買われる
三菱UFJモルガン・スタンレー証券・デットリサーチ部チ-フ債券ストラテジストの石井純さん(Jun Ishii/ Chief Fixed Income Strategist, Mitsubishi UFJ Morgan Stanley Securities Co.,Ltd.)は27日、超円高にもかかわらず株価が底堅さを保っていることの「示唆」について、次のような見方を示した――。
超円高が進行している。26日は3・11大震災直後以来の1ドル77円台に突入した。それは、輸出企業の今年度の採算円レート:86.3円<1月調査の企業行動に関するアンケート>や想定円レート:82.6円<6月調査の日銀短観>をすでに優に超えている。財界や通貨当局からはさすがに憂慮の声が噴出し始めた。
・米倉弘昌日本経団連会長『(円高は)原料輸出などを考えると100%悪いというわけではないが、日本は貿易立国。ちゃんとした円レートに戻ってほしい』
・野田佳彦『必用があれば断固たる措置をしていきたい』
・与謝野馨経済財政担当相『異常な円高水準は日本の製造業の経営計画を壊す。変動幅が大きい為替水準は好ましくない』
・海江田万里経済産業省『深い憂慮を持って見守っている』
・白川方明日日銀総裁『為替市場の動きにも注意が必要』
ただ、かつてのようなヒステリックな危機感や悲壮感が感じられないのは、筆者だけだろうか。
そうした印象の背景や原因を穿って見ると、以下のような後講釈が思い付く。
▼今日の株価予想/
前日の十字足から、下にマド開け下げる展開へ
T&Cフィナンシャルリサーチ(代表取締役・吉田恒氏/T&C FINANCIAL RESEARCH, INC.)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した――。
東京市場は続落へ。海外株安や円高を背景に売り優勢の展開が予想される。米主要指数の下げ幅が大きく、全体的に売り急ぐムードも朝方は見られそうだ。一方、主力株の一角には6月安値に向けて調整が進んでいる銘柄も多く、売り一巡後には下げ渋る銘柄も散見されそう。大口投資家の見送りムードが続くなか、先物主導で下げる場面も想定されようが、決算銘柄に対する先回り買いや短期資金の売買が中心となろう。昨日の大引け後に決算を発表した日産自動車や日立関連銘柄などの動向に注目。また、きょうは大引け後にソニー、ソフトバンク、パナソニック、関西電力などの決算発表が予定されており注目したい。
日経平均の予想レンジは9970円~9900円。前日の十字足から下にマドを開けて下げる展開となりそうだ。一目均衡表の基準線(9866円)を押し目の限界としながらも、200日線や25日線が通る9920円処などが下値で意識されやすい。基準線の上昇が続くことで相場基調は強く、押し目買いスタンスを継続したい。
話題の銘柄
7751 キヤノン/円高を吹き飛ばす復活の力、目標株価4803円→4976円
野村では、「11年4~6月期の業績は前年同期比減収減益となったが、営業利益784億円を計上した。会社は4月の説明会では『4~6月期は営業赤字は回避したい』と控え目なコメントをしており、我々もベストケースで営業利益は500億円と想定していたが、我々の想定を大きく上回る良好な決算だった。11年12月期の業績予想についても、会社は11年12月期下期の為替前提を大幅な円高前提にしたにも関わらず、業績予想を上方修正している」、「事務機メーカーが期待しているのは、アジア市場の拡大である。しかし、同市場は、(1)低価格品比率が高く、(2)各社の参入で価格競争が激化し、(3)収益源の消耗品は海賊品の横行で収益性は他の地域より低いという問題を抱えている。一方で、デジタルSLRは、(1)アジア市場向けの販売単価が世界で最も高く、(2)同社など上位企業のシェアは高位安定で、(3)収益性も同社の製品群では最も高い部類に属する。アジアの成長で事務機を物色するより、同社のようなデジタルSLRの優良メーカーを選好すべきと言える」と指摘。今2011年12月期連結営業利益を会社修正後計画3800億円(EPS213.9円)に対し従来予想3610億円(EPS187.2円)から3972億円(EPS219.1円)へ、来2012年12月期同5205億円(EPS273.9円)から5570億円(EPS288.2円)へ、2013年12月期同5785億円(EPS304.0円)から6160億円(EPS318.3円)へ増額。レーティング「Buy」を継続、目標株価を従来の4803円から4976円に引き上げた。
トレーダーズ・ウエブ:http://www.traders.co.jp/
▼ドル安・円高/
介入=人々に誤った幻想を与えることは宜しくない
AIAの堀内昭利社長(Akitoshi Horiuchi/ President, AIA Business Consulting Ltd.)は昨夜、為替相場について概ね次のようにコメントした――。
ドル円、多少反発気味。「介入やるぞ、やるぞ」的なコメントが続出だからね。介入で相場を牛耳れると考えるのは日本だけだよ。結果は、全然牛耳られてしまっているんだけどね。人々に誤った幻想を与えることは宜しくない。 皆呉越同舟で介入を待っているで。そりゃ、いつか助けに来てくれると信じていれば、投げ相場は来ない。投げ相場が来ないと言うことは、残る道はジリ貧の片道切符。(7月27日夜中)
▼海外FX相場/
ユーロドル、ドル円=3日ぶり反発、ユーロ円=反落
マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は今朝、FX相場の動向について次のようにコメントした――。
海外FX市場サマリー(今朝)
ユーロドルは3営業日ぶりに反落。27日の欧州市場で、ショイブレ独財務相が「政府は欧州金融安定ファシリティー(EFSF)と欧州安定メカニズム(ESM)による流通市場での債券買い取りの全権委任を拒否する」「ユーロ圏の危機は1回限りの首脳会議で永久に解決されると考えるのは間違っている」と述べたことを背景にユーロが売られた流れを引き継いだ。
ニューヨーク市場では米株安を受けた売りが出て下げ幅が拡大した。市場参加者からは「モデル系ファンドからの売りが目立った」との声が聞かれたほか、イタリア大手銀行ウニクレディットが大幅安となり、一時取引停止になっていたことも投資家心理を冷やした。一時1.43393ドルまで下げた。ただ、25日の安値1.4325ドルがサポートとして意識されると下げ止まり、引けにかけて下げ幅を縮小して取引を終えた。なお、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が27日、ギリシャの格付けを「CCC」から「CC」に引き下げると発表したが、ムーディーズが25日に格下げを行っていたこともあり、反応はなかった。
▼今日の長期金利/
独債続伸を受け、引き続き弱含みにもみ合うと見る
三菱UFJモルガン・スタンレー証券・デットリサーチ部チ-フ債券ストラテジストの石井純さん(Jun Ishii/ Chief Fixed Income Strategist, Mitsubishi UFJ Morgan Stanley Securities Co.,Ltd.)は今朝、長期金利(債券相場)見通しについて、概ね次のようにコメントした――。
<予想レンジ>
・長期金利(#315) 1.060%~1.085%
・債券先物(9月限) 141.65円~141.90円
<シナリオ>
長期金利は昨日の独債続伸を受け、引き続き弱含みにもみ合う。米債務問題の先行き不透明感による米債反落の影響でやや神経質となる場面もあるが、安全資産逃避ムードと米景気減速観測を背景とした買いが入り上げ渋る。
▼NY金相場/
確実に頭が重くなっている=そろそろ反落か?
スタンダード・バンク東京支店(コモディティ・トレーディング)支店代表・副支店長の池水雄一さん(Yuichi Ikemizu/ Head of Commodity Trading, Japan, Standard Bank Plc)は、NY貴金属相場(Overnight Ranges)について、概ね次のようにコメントした――。
相変わらず米国の債務交渉をにらみながらの神経質な展開が続いています。昨日はアジアの日中に1625ドルをつけ月曜日につけた歴史的高値1624ドルを更新。そしてニューヨーク時間帯には1628.80ドルまで上昇。株価が200ドル近く下落。投資家がみんな不安になっているのではないでしょうか。へんな話しですが、ニューヨーク午後にはドルが買われていました。避難になるのかどうかわかりませんが、とりあえず避難のドル買い?株価下落を受けて、ニューヨークフロアの引け後にプラチナが下落。ゴールド、シルバーも利食い売りで反落して一日が終わっています。
★「コモフェス2011in東京」のお知らせ
http://www.cfes.jp/
来る9月23日にコモディティ大交流会「コモフェス2011 in 東京」という催しがひらかれます。
サイトを見てもらえればわかりますが、これだけの人がよく集まるなあといった面子です。きっとおもしろい会合になると思います。誰でも参加できますのでご興味ある方はぜひ。僕は豊島老師、亀井さんと3人でゴールドトークやります。
▼米欧商品市況/
シカゴコーン=続伸、NY粗糖=総じて続伸
投資情報会社オーバルネクスト(社長・坂元修二氏)発行のメルマガ『朝らく!最速コモディティ情報』(本日号)に掲載された27日の海外商品市況は次のようになった――。
◎シカゴ穀物=大豆は反落、コーンは続伸
大豆は反落。11月限は、強基調を引き継いで前日高値を抜いたが、ドル高や原油安で反落に転じた。産地に降雨が予報されたことや、熱波が長続きしない予報が出されたこと、米債務上限引き上げ問題に対する不透明感、ドル高・原油安の加速も圧迫要因。
コーンは続伸。12月限は、安寄りしたあと、産地の降雨予報、米債務上限引き上げ問題に対する不透明感、ドル高・株価・原油の加速で値を消したが、前日安値を維持して戻り歩調となったあとは、小麦の急反発をはやして切り返し、前日高値を突破した。
◎NYソフト=粗糖は総じて続伸、コーヒーは反落
粗糖は総じて続伸。10月限は、ブラジルのさらなる減産観測や目先の需給ひっ迫懸念を背景に押し目を買い拾われたが、前日の高値近辺で上値が押さえられると、その後は利食い売りなどに押された。
アラビカ・コーヒーは反落。9月限は、引き続き決め手となる支援材料を欠くなか、ドル上昇や他商品安などに反応し、下値を大きく切り下げた。
(オーバルネクスト/東京)
情報提供:株式会社オーバルネクスト:http://www.ovalnext.co.jp/
メールマガジン登録:http://www.mag2.com/m/0000049479.html
ニュース・チェック
★東証1+2部時価総額(27日)=297兆1802億円(前日比-2兆3396億円)
★ニュース・ヘッドライン
午前の東京株式市場=株価は米国債務問題や経済指標悪化からの株価急落受けて大幅安。日経平均 が終値で前日比-112.12円安の9935、07円、またTOPIXも同-8.27安の850.84、JASADAQ-TOP20は同-11.95安の1472.25となった。業種別株価指数の騰落率ランキングでは、東証33業種のうち上昇したのは電気・ガス業、その他製品の2業種に止まった。
午前の東京外為市場=為替相場は欧米株安や米債務問題から円高地合い継続。ドル円相場は77円台後半で推移、ユーロ円は111円台後半で推移している。
★注目企業=IR情報+ニュースリリース
日本電気株式会社(6701)
■7月28日(木)15:30に、当社の2011年度(2012年3月期)第1四半期決算を発表する予定です。決算資料は発表と同時に弊社IRホームページに掲載いたします。
http://www.nec.co.jp/ir/ja/index.html
株式会社ディー・エヌ・エー(2434)
■「Mobage」のグローバル展開開始のお知らせ
http://www.dena.jp/ir/

