米国債務上限問題/米国債格下げの影響(7/27)

過去の投資環境は? 相場はどう変化しているのか?今を知り、未来を読むためには過去の情報も随時追いかけることが重要です。今回は7月27日(水)の金融・経済情報をお送りします。

■米国債務上限問題/
焦点は、暫定的な上限引き上げを認める条件作りに移行

クレディ・スイス証券チ-フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は米国連邦債務上限引き上げ問題に関して、「一旦収束するかにみえたものの、状況は再び悪化している」として、次のように語った――。

下院案(議長案、共和党案)、上院修正案(院内総務案)ともに、下院・上院内での可決が困難ではないか、との見方が出てきている。さらに上院修正案からは増税案が消えた。ホワイトハウス(オバマ大統領)は「向こう10 年で1.0~1.2 兆ドルの増税が必要」と主張してきており、面子を潰された格好である。向こう数日のうちに、下院、上院、ホワイトハウスの3 者が妥協案に合意することは困難であろう。


■米国債格下げの影響/
長期金利上昇⇒大手銀行の資産劣化、収益悪化招く

東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満さん(Mitsuru Saito/Chief Economist, Tokai Tokyo Securities Co.,Ltd.)は、「一難去ってまた一難」として、ギリシャ債務問題と、難航する米国債務上限引き上げ問題について、次のような見方を示した――。

<米国債務上限引き上げ問題>

それでも欧州の当面の危機はとりあえず回避されたが、一難去ってまた一難。今度は米国の債務上限引き上げが政治の駆け引きに使われ、期日の8 月2 日が近づく中で暗礁に乗り上げつつある。オバマ大統領は民主・共和両党に妥協点を見出すよう求める一方で、財務省は密かに期日に間に合わなかった場合の対応策も検討している。


▼今日の株価予想/
反発力に乏しく引き続きザラ場中の決算に注視か

T&Cフィナンシャルリサーチ(代表取締役・吉田恒氏/T&C FINANCIAL RESEARCH, INC.)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した――。

東京市場はもみ合いが続きそうだ。ダウ平均の下げは悪材料だが、CME225先物が10055円と比較的底堅く終了。日経平均は10050円処のスタートから先物主導で下げ幅を試す場面も想定されるが、市場参加者が減少していることや目新しい材料が出ない限りは売り急ぐ雰囲気でもない。売り一巡後は企業業績の改善期待から押し目買いが意識されそうだ。

きょうはザラ場中に新日鉄、JFE、ファナック、四国電力などが決算発表を予定している。日経平均の寄与度が高いファナックが決算発表後に99年末につけた上場来高値(14900円)を更新するような展開となれば、先物主導で全般戻る展開を想定、失望売りに押されると相場全体に利益確定売り機運が高まる可能性があり要注目だろう。

日経平均の予想レンジは10050円~9980円。終値ベースで転換線(10016円)を維持できるかがポイント。昨日から基準線(9777円)が上昇に転じており基調は強い。


話題の銘柄

6506 安川電機/今期8割増、来期4割増と大幅増益が続く、目標株価1100円

野村では、「12年3月期以降の売上予想は微修正にとどまる半面、営業利益は主力のサーボモータやインバータの需要地・中国での生産増強、標準機種への品番集約などに伴い、利益率が従来以上に改善すると考え、上方修正した。12年3月期は前期比79%営業増益、13年3月期が同39%増益予想となり、大幅増益が続こう。サーボモータ(12年3月期売上構成比33%)は12年3月期が前期比10%増収を予想する。業種構成比は電機向け4割、機械3割、その他3割で、地域構成比は日本6割、アジア3割弱、欧米1割強と推定される。震災影響による半導体不足で、新型機種・標準機種への品番集約に弾みが付いており、調達部品の減少、大型発注に伴うコスト低減などを織り込んだ。中国では現地工作機械メーカーの需要を捉えるために、会社は瀋陽拠点の生産能力を前期比で倍増させる計画で、日本からの輸出に比べて納期短縮や輸送費削減に繋がろう。インバータ(同売上構成比19%)販売と合わせたモーションコントロール部門の営業利益は前期比55%増益の139億円(従来120億円)を見込む。ロボットは12年3月期が売上高1000億円(前期比19%増)、営業利益60億円(同43億円改善)を見込む。欧米では自動車業界で更新需要が見通される上に、エンジニアリング企業の活用で利益率が改善しているようだ。7~9月期からは北京の関係会社が連結寄与し、上海でも販売・サービスを開始する」と指摘。今2012年3月期連結営業利益を会社計画200億円(EPS47.7円)に対し従来予想210億円(EPS46.9円)から230億円(EPS51.3円)へ、来2013年3月期同300億円(EPS66.8円)から320億円(EPS71.1円)へ、2014年3月期同370億円(EPS82.7円)から390億円(EPS87.0円)へ増額。レーティング「Buy」、目標株価1100円を継続した。
トレーダーズ・ウエブ:http://www.traders.co.jp/


▼ドル円77円台/
総員為替介入待ち、という異常な状況だが・・・

AIAの堀内昭利社長(Akitoshi Horiuchi/ President, AIA Business Consulting Ltd.)は昨夜、為替相場について概ね次のようにコメントした――。

長い間予想してきた夏の77円相場はターゲットにリーチした。この後はまた考えてみたい。しかし、総員介入待ちという異常な状況だ。3月の介入が成功したとか言われていたが、そんなことはないのである。介入は人々に幻想を抱かせる。政府の連中も単独介入も辞さずなどとうるさいのであるが、米ドルに問題があることを全く理解していない。

スイスのように介入の失敗の損失額に頭を痛めているところと、万年介入ばかりやってきて、誰にも一体いくら損しているんだ?と問われない国の差が歴然。介入したければすればいいと思うが、それは将来にさらなる悪影響が予想される。うるさい経済界のためのショーだとしたらますます近視眼的だ。(7月26日夜中)


▼FX投資戦略/
米債務合意の場合=ドル安で仕掛けているなら反発に注意

マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は昨夕から今朝、FX相場の動向について次のようにコメントした――。

<26日>

全体的にドル安が進んでいます。それもそのはず、8月2日を期限とした米国の債務上限問題が意識され、ドルは上値が重くなっています。ドルスイスフランなど、かなりドル安が進んでいる通貨もあります。

この債務上限問題について、ある程度の決着の糸口が見えない限り、ドルの上値が重い状態が続いてしまうのではないでしょうか。ただ、もし何の合意もなされないということになれば、アメリカ経済はとんでないことになってしまいます。それは米当局も理解していますから、今週中、この2,3日のうちに何かしらの合意をすると思います。そうなると、これまでドル安になっていた反動で、一時的ではあってもドル高方向にマーケットは反応する場面があるのではないでしょうか。そのような動きが週末までには出てくると思いますので、ドル安で仕掛けている場合、反発の動きには十分注意しておきましょう。


▼今日の長期金利/
昨日の米欧債高を受け弱含みに保合う、と予想

三菱UFJモルガン・スタンレー証券・デットリサーチ部チ-フ債券ストラテジストの石井純さん(Jun Ishii/ Chief Fixed Income Strategist, Mitsubishi UFJ Morgan Stanley Securities Co.,Ltd.)は今朝、長期金利(債券相場)見通しについて、概ね次のようにコメントした――。

債券先物チャート

9月限の日足は2日連続の陽のコマで気迷い。高値(141.60円)と終値(142.55円)が前日足と同値。

<予想レンジ>

・長期金利(#315) 1.075%~1.095%

・債券先物(9月限) 141.50円~141.70円

<シナリオ>

長期金利は昨日の米欧債高を受けて弱含みに保合う。米国債のデフォルト・リスクや格下げリスクの影響を読み切れず、動きづらい状況が続く。


■NY金相場/
米国債務の伸びと金価格の伸び=きれいな正比例

スタンダード・バンク東京支店(コモディティ・トレーディング)支店代表・副支店長の池水雄一さん(Yuichi Ikemizu/ Head of Commodity Trading, Japan, Standard Bank Plc)は、NY貴金属相場(Overnight Ranges)について、概ね次のようにコメントした――。

<米国の債務とゴールド価格の関係>

↓のチャート:米国の債務の伸びとゴールドの価格の伸びを同じチャートにしたものです。きれいな正比例を示しています。長い目でみればやはりこのようなマクロ要因にはちゃんとゴールドの価格は反応しているのですね。

<パラジウム相場>

810ドルから840ドルまで大きく上昇。昨日レンジを抜けたと書きましたが、レンジを抜けたことによってオプション絡みの買いが大きく出て上昇しました。8月17日にNymex Sep11 contractのoption expiryが着ますが、一番大きな建て玉残は850ドルのストライクプライス。このあたりに相場が集約されそうです。南アの労使問題に加えて、米国の今年前半の自動車販売が13%の伸びと非常に堅調であったこと、そしてクライスラーやフォードからの年後半への強気の見通しからプラチナ・パラジウムは強気ムードになってきました。


▼米欧商品市況/
NY貴金属=米債務問題によるドル安を好感し軒並み上昇

投資情報会社オーバルネクスト(社長・坂元修二氏)発行のメルマガ『朝らく!最速コモディティ情報』(本日号)に掲載された26日の海外商品市況は次のようになった――。

◎NY貴金属=軒並み上昇、米債務問題によるドル安を好感

金は続伸。米国の債務上限引き上げ協議の行方を見守るなか、決め手難から押し目買いと戻り売りが交錯してもみ合ったが、ドル安をはやした買いが上回って高引けた。
銀は続伸。米国の債務上限引き上げ協議の結果待ちでしばらくレンジ内でもみ合ったあと、原油急落で値を消したが、40ドルを維持して切り返し、上値を切り上げた。
プラチナは反発。テクニカル売りで急落したが、ドル安・原油高で反発に転じたあと、南ア鉱山労組のスト通知をはやして投機買いを集め、先週の高値を突破した。
パラジウムは大幅続伸。ドル安・原油高や金の上昇で前日の高値を上回ったあと、利食い売りで値を消したが、南ア鉱山労組のスト通知をはやして6月の高値を突破した。(オーバルネクスト/東京)

情報提供:株式会社オーバルネクスト:http://www.ovalnext.co.jp/

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ニュース・チェック

★東証1+2部時価総額(26日)=300兆1669億円(前日比+1兆3568億円)

★ニュース・ヘッドライン

午前の東京株式市場=株価は米国債務問題の不透明感や、それに伴う円高で下落。日経平均 が終値で前日比-56.71円安の10、041.01円、またTOPIXも同-8.01安の858.19、JASADAQ-TOP20は同-20.45安の1487.65となった。業種別株価指数の騰落率ランキングでは、東証33業種のうち上昇したのは食料品、水産・農林業、その他金融業の3業種に止まった。

午前の東京外為市場=為替相場は対ドル、対ユーロで円高進行。ドル円相場は77円台後半で推移、ユーロ円は112円台後半で推移している。

★注目企業=IR情報+ニュースリリース

株式会社大阪証券取引所(8697)

■平成24年3月期第1四半期決算概要について
http://www.ose.or.jp/news/20297
■CMEグループとの業務提携契約の締結について
http://www.ose.or.jp/news/20291

松井証券株式会社(8628)

■平成24年3月期 第1四半期決算短信
■平成24年3月期 第1四半期決算報告資料
http://www.matsui.co.jp/company/index.html