日銀追加緩和/今週の株式相場(8/31)

過去の投資環境は? 相場はどう変化しているのか?今を知り、未来を読むためには過去の情報も随時追いかけることが重要です。今回は8月31日(火)の金融・経済情報をお送りします。

■円高:日銀追加緩和/
「平時」の対応策なら評価できるが、今は理不尽相場

オフィス セントポーリア代表の馬渕治好さん(Haruyoshi Mabuchi:CFA/ President, Office Saintpaulia)は30日、日銀は急きょ臨時の金融政策決定会合を開催し、金融緩和策を追加したことが円相場に与えた影響について、「平時」の対応策としては非常によくやった、と評価して、おおよそ次のように語った----。

確かに市場は、予想外のタイミングでの金融政策決定会合の知らせを受けて、円相場は一時対米ドルで85.91 円まで下落し、日経平均株価は前場に一時9280 円を超えた。しかし、追加緩和の発表後は、円高・株安の方向へと振れている(前日比では、まだ円安・株高の水準であるが)。これは、具体的な追加緩和の内容(3カ月→6カ月、20 兆円→30 兆円)が、事前にささやかれていたもので、驚きがなかった、ということがあろう。さらにこれよりも、現在の為替相場が理不尽で、「平時」ではなくなりかかっていることが大きいと考える。


▼7月鉱工業生産/
本格的な生産回復=低水準続く欧米向け輸出回復が条件

大和総研・経済調査部シニアエコノミストの熊谷亮丸さん(Mitsumaru Kumagai / Senior Economist, Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)は今朝、発表された7月の鉱工業生産について、「予想に反して増加したが基調は概ね横ばい」として、次のようにコメントした----。

(1)生産は均してみれば横ばい

7月の鉱工業生産は前月比+0.3%となり、市場予想(同▲0.2%)を上回った。生産の基調をみるために3ヶ月移動平均をとると、7月は前月比0.2%と3ヶ月振りに増加へ転じたが、輸出数量の動きと同様に概ね横ばいで推移している(図表2-1)。生産予測調査では、8月が前月比+1.6%(前月調査時点:+2.0%)で、9月が0.2%であった(図表2-2) 。これにより、7-9月期は前期比+0.7%と6期連続の増加が見込まれるものの、リーマンショック前から1割程度低い水準である。本格的に生産が回復するには、未だに低水準の欧米向け輸出が回復することが条件だ。なお、鉱工業生産の季節調整値はリーマンショックの影響を季節性の変動として織り込んでいるため、4−6月期は弱めの数値となった可能性がある。輸出数量指数(内閣府季節調整値)はこうした影響を除去している。足下で両者のモメンタムに差が生じていることから、こうしたテクニカルな要素も影響しているとみられる。


■今週の株式相場/
週央以降は、全体相場は揉み合い商状に回帰へ

みずほ証券・グローバル調査業務部投資戦略室エクイティストラテジストの瀬川剛さん(Tsuyoshi Segawa / Equity Strategist, Shinko Securities Co., Ltd.)は30日、今週の株式相場について次のようにコメントした----。

<今週の予想レンジ=日経平均で9000円〜9400円>

今週の東京市場は政府・日銀による①景気・円高対策の発動に伴って悲観論がやや後退、週前半に全体相場は水準を切り上げる公算が大きい。追加緩和の検討に触れた、前週末のFRBバーナンキ議長の発言も好感されよう。尤も、ある程度株価水準が切り上がった後には、過度なリスク回避行動の反動も一巡したと受け止められ、改めて世界経済の先行きを見極めたいとの雰囲気が台頭する可能性が考えられる。今週は月替わりとあって内外の注目度の高い②経済指標の発表が相次ぐ予定である。また、国内に関しては事実上の③首相選択選挙の告示も予定されている。週央以降はこれらの内容、趨勢を見守りたいといった観点から全体相場は揉み合い商状に回帰するのではないか。
(注)上記コメントは基本的に原文どおりですが、冒頭の文章、タイトル、小見出しなど、一部編集してあります。


▼今日の株価予想/
下押す動きはあるが、5日線処サポートに値固めか

T&Cフィナンシャルリサーチ(代表取締役・吉田恒氏/T&C FINANCIAL RESEARCH, INC.)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した----。

東京市場は終日軟調な展開が予想される。前日の後場の流れを引き継ぎ朝方から弱い動きが予想されるなかで、米国株安やドル円相場が再び1ドル=84円半ばで推移しており、輸出関連中心に下げ幅を広げる場面もあろう。寄り前に発表される7 月の鉱工業生産以外は新鮮味のある材料はなく、為替市場を中心に外部環境をにらみながらの神経質な展開か。

日銀は臨時で金融政策決定会合を開催し追加の金融緩和策を決定したが、内容は事前の報道通りで効果は限定的に留まるとの見方が強い。ただ、日銀に対する追加的な政策期待なども下支え効果ありか。売り一巡後は内需株の一角に押し目買いが意識されそうだ。

日経平均の予想レンジは9070円−8950円。昨日の引け方からはいったん下押す動きはあるだろうが、5日移動平均線処をサポートに値固めの動きが予想される。

30日のNY株式市場でダウ平均は140.92ドル安と大幅反落。NASDAQは33.66ポイント安、S&P500は15.67ポイント下落して取引を終えた。世界的な景気回復懸念が重しとなり、終日軟調な展開が続いた。M&Aニュースが下支えする場面がみられたものの、徐々に下げ幅を広げ前日の上昇を帳消しにする下げとなった。業種別ではすべてが下落。特に金融や一般消費財、資本財など主力セクターが軟調に推移。ドル建てCME225先物は昨日の大証日中終値と比べ145円安の8985円、円建ては145円安の8985円となった。


話題の銘柄

9603 エイチ・アイ・エス/中長期成長環境好転の兆し、目標株価3300円 

野村では、「8月25日に公表された同社の10年7月の海外旅行取扱高(売上高)は前年同月比25%増となった。増収要因は、単価面では円高傾向を追い風とした欧米などへの長距離旅行の増加、燃油サーチャージの上昇が挙げられる。また旅行者数増加も寄与していると見られる。売価管理も10年10月期下期から強化していることから、単価増に伴う旅行代金の適正化も進んでいると考えられる」、「同社が中長期成長機軸と考えている海外発旅行に関しても事業環境は好転の兆しが見られる。人口規模・経済成長率の観点から、今後世界最大の市場となると考えられる中国においては、現在、外資旅行代理店は、中国人向け海外旅行業務を行うことができない。しかし、8月23日の日本経済新聞朝刊によると、今後、日本国内大手への業務開放を中国の国家観光局長が表明したとされる。同社の中長期成長ビジョンの前提条件が整いつつあると言えよう」、「11年10月期は羽田再拡張に伴う旅行者数の増加が予想される。また増便に伴う需給の緩みも考えられ、魅力的な商品を造成・販売する旅行業者の役割は重要性を増し、有利な仕入展開も考えられる。さらに我々が注目するのは07年10月期より導入した為替予約が10年10月期で満期を迎える点である。11年10月期は為替予約期間の終了に伴い、原価率の低減・為替差損の剥落が見込まれ、テクニカルな要因でも増益確度は高いと推察される」と指摘。今2010年10月期連結営業利益を会社計画71.5億円(EPS111.0円)に対し81億円(EPS138.8円)、来2011年10月期118億円(EPS240.5円)、2012年10月期133億円(EPS268.3円)と予想。レーティング「1」、目標株価3300円を継続した。
トレーダーズ・ウエブ:http://www.traders.co.jp/


▼FX市場ウォッチ/
日本は、円高より「円安のほうが怖い」と思うよ

AIAの堀内昭利社長(Akitoshi Horiuchi/ President, AIA Business Consulting Ltd.)は昨夜、為替相場について概ね次のようにコメントした----。

金曜の夜中からの外国人ファンド勢の買い攻勢は月曜の昼まで執拗に続き、結局、自爆して果てることになった。ばかじゃねぇかと思うのだが、勝負を賭けてくる連中は好きだから、まあいいかあって気分。(景気・円高)対策だけど、うーむ、だなあ。ホルムズ海峡もやばそうだし、原油10年分買うぞ、備蓄タンクも増産だ、なんてやるのかと思った。それとか、「欧米企業を買収せよ、日本企業社長殿」とか、「レアメタル買えるだけ買え」とか、「食糧備蓄一気に増やせ」とか、輸入を増やすのかと思ったよ。バカの一つ覚えのように「円高は困る」じゃないんだよ。円安のほうが怖いと思うよ。(8月30日。夜中。)


▼海外ドル円相場/
米株安受けたリスク回避目的で84.50円まで下落

マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は今朝、FX相場の動向について次のようにコメントした----。

海外FX市場サマリー(今朝)

ドル円は反落。日銀は30日午後、臨時の金融政策決定会合で、「新型オペ」の総額を従来の20兆円程度から30兆円程度に増やし、従来の期間3カ月物のほか6カ月物を新設することを決めたと発表。ただ、事前に伝わった内容とほぼ同じで新味に乏しかった。白川日銀総裁の記者会見でも「国債買い入れオペは現在の規模が適切」などと述べるにとどまり、追加の金融緩和を示唆する発言は出なかった。投機筋が、材料出尽くしとして前週末の米国市場から週明けのアジア市場前半にかけて形成した円売りポジションの解消を進めた欧州市場の流れを引き継いだ。

米国市場では、米金利低下や米株安に伴うクロス円の売りなどを受けた円買い・ドル売りと、対ユーロやポンドなど中心にドルが買い戻されたことにつれた円売り・ドル買いが拮抗し、狭い値幅でもみ合いが続いた。もっとも、米国株はダウ30種平均が100ドル超の下落となるなど、引けにかけて下げ幅を拡大。株安を受けて欧州通貨や資源国通貨などに対してリスク回避目的で円を買い戻す勢いが増した影響で、ドル円は押し下げられ84.50円まで下げた。30日に発表された米経済指標への直接の反応は限られた。

ユーロドルは4営業日ぶりに大幅反落。欧州市場で、独株価指数やダウ先物の下落を背景に、リスクポジション解消目的で売りが出た地合いを引き継いだ。現物の米国株の下げ幅が拡大すると、ユーロドルの売り圧力も増し、下値を広げた。一時1.2659ドルまで下落した。

ユーロ円は4日ぶりに反落。日銀の追加緩和策が予想の範囲内にとどまったことや、白川日銀総裁の記者会見で更なる金融緩和を示唆する発言がなかったことなどを受けて売られた欧州市場の流れを引き継いだ。米国株が軟調になるとユーロ円の下げ幅は広がり、一時107.02円まで売られた。


▼米欧商品市況/
コーン=1月11日以来の高値、アラビカ・コーヒー=続伸

投資情報会社オーバルネクスト(社長・坂元修二氏)発行のメルマガ『朝らく!最速コモディティ情報』(本日号)に掲載された30日の海外商品市況は次のようになった----。

◎シカゴ穀物引け速報=大豆は総じて反落、コーンは大幅続伸

大豆は総じて反落。11月限は、単収に関する不透明感や小麦急伸、旺盛な輸出需要をはやして金曜の高値を突破したが、小麦急伸にもかかわらず時間外取引の高値が抜けなかったことから警戒感が台頭、ドル高・原油安による利食いでマイナスに転落した。
コーンは大幅続伸。12月限は、早期収穫の単収が予想を下回ったことや小麦急伸をはやして金曜の高値を抜いたあと、ドル高・原油安で地合いを後退したが、小麦の一段高や高水準の輸出検証高、作柄低下観測をはやして1月11日以来の高値を付けた。
 
◎NYソフト引け速報=粗糖は期近が反落、外部要因悪化などで調整場面

粗糖は期近が反落。10月限は、急反発した前週末の流れから転じ、対ユーロでのドル上昇や原油安など外部要因の悪化を背景にした調整場面となった。
アラビカ・コーヒーは続伸。12月限は、引き続きテクニカル主導で高値を試す動きとなり、23日に付けた2008年3月15日以来の高値に接近した。
(オーバルネクスト/シカゴ)

情報提供:株式会社オーバルネクスト:http://www.ovalnext.co.jp/

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ニュース・チェック

★東証1+2部時価総額(30日)=285兆1775億円(前日比+3兆2537億円)

★ニュース・ヘッドライン

午前の東京株式市場=株価は米景気懸念からの米国安と円高が重なり大幅下落となった。日経平均 が終値で前日比−236.93円安の8,912.33円、またTOPIXも同−17.41安の811.80、JASADAQ指数は同−0.18安の48.32となった。業種別株価指数の騰落率ランキングでは、東証33業種のうち上昇したのは空運業の1業種のみに止まった。

午前の東京外為市場=為替相場は昨日の東京市場午後から欧米市場にかけて円が急伸し、依然として強含み。ドル円相場は84円台前半で推移、ユーロ円は106円台後半で推移している。

★注目企業=IR情報+ニュースリリース

カブドットコム証券株式会社(8703)

■「大証FX」を業界最低手数料(105円、10月末まで0円【無料】)で取扱開始
■主要ネット証券最低水準の店頭FXスプレッドをさらに縮小するキャンペーン実施
■三菱東京UFJ銀行「テレビ窓口」限定の口座開設キャンペーン実施のお知らせ
http://kabu.com

松井証券株式会社(8628)

■【夜間先物取引】取引時間の延長について
〜CME(R)日経225先物が24時間取引できるようになります〜
http://www.matsui.co.jp/company/index.html

株式会社ディー・エヌ・エー(2434)

■会社分割(簡易分割)による結婚関連情報提供サービス事業の分社化に関するお知らせ
http://www.dena.jp/ir/index.html

株式会社サイバーエージェント(4751)

■結婚準備クチコミ情報サイト「ウエディングパーク」、全国3,900の式場データを「Google マップ」に提供開始
http://ir.cyberagent.co.jp/

積水ハウス株式会社 (1928)

■創立50周年記念商品 鉄骨戸建住宅「Be Sai+e(ビー・サイエ)」誕生
■進化する木造住宅「シャーウッド」に創立50周年記念商品 「The Gravis(ザ・グラヴィス)」誕生
■軽量鉄骨系戸建全商品においてオリジナル断熱仕様「ぐるりん断熱」を標準採用
http://www.sekisuihouse.co.jp/company/topics/topics_2010.html