過去の投資環境は? 相場はどう変化しているのか?今を知り、未来を読むためには過去の情報も随時追いかけることが重要です。今回は9月8日(水)の金融・経済情報をお送りします。
■EUストレス・テスト/
報道の対象国債過小申告は、あまり本質的ではない
クレディ・スイス証券チ−フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は、EU ストレス・テストに絡んで、米国の一部メディアが対象国債の過小報告問題を指摘したことについて、次のようにコメントした----。
7 月下旬に結果が公表されたEU ストレス・テストに絡んで、米国の一部メディアが対象国債の過小報告問題を指摘した。しかし、EU ストレス・テストについてのより大きな問題点は、不動産市場調整のリスクを加味していないマイルド・リセッションが想定されているなど、マクロ前提にある。その意味において、対象国債過小申告問題はあまり本質的ではない。
■景気対策の"盲点"/
日本企業・銀行にカネは潤沢=如何に使わせるかがカギ
東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満さん(Mitsuru Saito/Chief Economist, Tokai Tokyo Securities Co.,Ltd.)は、手詰まり観のある日米の景気対策について、アングルを変えた視点から次のような見解を示した----。
主要国が共通して財政の制約に直面しているが、日米も例外でなく景気対策に苦しんでいる。米国では中間選挙を2 ヵ月後に控え、オバマ大統領が総額500 億ドル規模の景気対策を打ち出した。内容は主に道路整備や鉄道、空港整備といった公共事業中心のもので、何とか雇用を増やしたいとしている。ところが、オバマ大統領の支持母体でもある民主党までもがこれを支持せず、少なくとも選挙前にこれが議会を通る可能性はほぼゼロとされる。そして選挙で共和党が支配政党となれば、一層この対策の実現は厳しくなる。このため、今回のオバマ大統領の景気対策に対して、日本以外の市場での反応は冷ややかだ。
■正念場の日本経済③/
景気復調の契機は外需⇒持続性は設備投資の回復如何
大和総研・経済調査部(渡辺浩志シニアエコノミスト+熊谷亮丸チーフエコノミスト/Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)は、「安定成長に向け正念場を迎える日本経済」と題して、3回にわたって日本経済やそれを取り巻く環境の現況と見通しを示した。当面、気は踊り場を迎えるが、11年後半からは復調を見込む。
第3回は、「安定成長の条件」と題して、復調の契機と今後の安定成長への条件を探る----。
(1)11 年後半からの景気の復調は、海外経済の回復によるものだ。1つのシナリオは、現在のドイツのように、米・欧で低金利や通貨安が経済に好循環をもたらすことである。米国の設備投資の回復は日本の対アジアIT輸出を、個人消費は対米自動車輸出を誘発する。また、中国経済が再加速するだろう。11 年初頭には不動産価格が沈静化し、厳しい規制は緩和されよう。また、12 年秋以降「政治の季節」に入る中国で、11年後半から地方中心に拡張政策がとられる可能性も高い。日本からは素材の輸出が増加すると見込まれる。
▼7月機械受注/
底入れ確認させる動き+先行指標・外需は3ヶ月連続増加
大和総研・経済調査部シニアエコノミストの熊谷亮丸さん(Mitsumaru Kumagai / Senior Economist, Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)は今朝、発表された7月の機械受注について、「底入れを確認させる動き」として次のようにコメントした----。
7月の機械受注(船舶・電力を除く民需)は前月比+8.8 %と2ヶ月連続の増加となり、市場コンセンサス(同+2.0%)を大幅に上回った。振れの少ない統計である鉱工業出荷内訳表の国内向け資本財出荷は2010年初頭から緩やかに回復しており、当月の機械受注もこれと整合的に推移した。当月の機械受注は底入れを確認させる動きであったと言えよう。また、先行指標である外需は前月比+2.6%と3ヶ月連続の増加となった。
▼今日の株価予想/
売り一巡後も為替にらみ、押し目処を見極める展開か
T&Cフィナンシャルリサーチ(代表取締役・吉田恒氏/T&C FINANCIAL RESEARCH, INC.)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した----。
東京市場は続落へ。欧州の金融機関の債務問題に対する懸念は、ひとまず日本株全体にとっても影響は免れそうにない。為替市場でのユーロの全面安を背景に国際優良株に売り圧力が強まりそうだ。
一方、日経平均は直近安値から4日間で500円近く上昇している。現段階では下げる理由としての材料蒸し返しといった見方ができ、米景気に対して過度な悲観がやや後退しているなかでは、売りが続くことはなさそう。押し目処を狙うスタンスが有効と考える。ただ、このタイミングで米景気に再び警戒感が強まるような展開になった場合には、安値更新といった動きなども今後予想されてくる。
日経平均の予想レンジは9140円−9020円。終値で8月中旬に少し横ばったレンジの下限(円建てCME225先物9095円に相当)あたりで下げどまるかに注目したい。今週はメジャーSQを控えているため、ザラ場で転換線(9053.73円)から9020円処までは下げる公算ありか。
7日のNY株式市場でダウ平均は大幅反落。前日比107.24ドル安の10340.69ドルで終了した。WSJが7月に結果公表された欧州銀行のストレステストについて、一部の金融機関保有総額から特定の国の国債を除外していたため、国債保有が少なく評価されていると報道した。欧州金融不安が再燃し金融セクターは2%超の下落。一般消費財やエネルギーセクターなども売られた。NASDAQは24.86ポイント安、S&P500は12.67ポイント下落して取引を終了。ドル建てCME225先物は昨日の大証日中終値と比べ120円安の9100円、円建ては125円安の9095円となった。
話題の銘柄
2809 キユーピー/おいしい日本の安定成長性、中国成長期待も、目標株価1500円
BofA MLでは、「同社の収益は食用油の市況変動の影響を受けるが、日本と中国でトップシェアを誇るため、前回の市況高騰時も値上げの先陣を切った。原料安局面では負の価格転嫁も実行したが、マージンの改善は続いている。デフレと原料高が懸念される中でも国内業績は安定している」、「日本人の年間マヨネーズ消費量1.6kgに対し、中国人は80g。保護力の強い『馳名商標』の認定を受けた同社の『丘比』ブランドは、食の西洋化に伴うマヨネーズ需要拡大の恩恵を受けている。中国事業の営業利益構成比は10年11月期の約2%から15年11月期までに約17%に拡大する見通し」、「短期的には原料安メリットと合理化効果に伴い、10年11月期の利益は会社予想に対し上振れが期待される。足元では、食用油の価格が上昇傾向にある。当社では、食用油の1円/㎏変動による営業利益への影響を1.2億円と想定。11年11月期の食用油の価格前提を158円/㎏とし、10年11月期の152円/㎏に対し6円の上昇を見込んでいる。食用油上昇による影響額は単純合計で約7億円だが、11年11月期の当社業績予想には原料高の影響15億円、合理化効果20億円を織り込み、11年11月期の増益率は鈍化すると見ている。ただ、会社側が値上げに踏み切れば、当社予想に対するアップサイドになる。国内マーケットシェアはマヨネーズ約63%、サラダ・ドレッシング約51%で首位。同社は2007年〜2008年にかけての原料高局面において、食用油の価格高騰に焦点を絞った価格交渉に挑み、値上げの先陣を切った経緯がある」と指摘。今2010年11月期連結営業利益を会社計画215億円(EPS69.2円)に対し222億円(EPS71.9円)、来2011年11月期235億円(EPS75.8円)、2012年11月期244億円(EPS79.1円)と予想。目標株価を11年11月期予想PER20倍の1500円と設定。投資評価「買い」で新規カバレッジを開始した。
トレーダーズ・ウエブ:http://www.traders.co.jp/
■Tokyo FX Market①/
ユーロ誕生の懸念はね除け、一人勝ちとなったロンドン市場
日銀は今年4 月中の東京市場の為替取引高調査の結果を公表した。この調査はBIS が3 年ごとにまとめる外国為替市場の取引状況の日本分である。先週の日経新聞では、東京市場の為替取引高は調査国全体の6.2%と前回調査から0.4 ポイント上昇し、取引高の順位もスイスを抜き、第3 位に返り咲いたと報道されていた。
もっとも、クレディ・スイス証券、経済調査部ストラテジストの小笠原悟さん(Satoru Ogasawara/ Strategist, Credit Suisse Securities Ltd.)は7日、「トップである英国の36.7%、米国の17.9%と比較すると足下にも及ばない。また、グローバル・ベースと比較すると対インターバンク取引の占める割合が大きい。過去10 年間のグローバルの流れからすると、日本市場における為替取引の比重は対顧客取引へとシフトしていく可能性があろう」と語った。そこで、グローバル・ベースと日本での為替取引の2回にわたって、小笠原さんのコメントをご紹介する。
▼ドル円83円台/
上値が重い展開続くと、少しずつ円高に向かうリスク
マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は昨夕から今朝、FX相場の動向について次のようにコメントした----。
<7日> ドル円はかなり上値が重い展開が続いています。7日も83円台をつけていて、大分円高が進んでいます。このままずるずると積極的に下げていくというイメージも持てませんが、戻りがかなり鈍く、上げても売りに押されてしまっています。ちょっと気持ちの悪い動きです。このままの状態が続くと、少しずつ円高に向かうリスクがあるのではないかと思いますので、注意しておきたいと思います。
▼今日の長期金利/
アイランド・リバーサル発端のベア・マーケットに転機到来!?
三菱UFJモルガン・スタンレー証券・デットリサーチ部チ−フ債券ストラテジストの石井純さん(Jun Ishii/ Chief Fixed Income Strategist, Mitsubishi UFJ Morgan Stanley Securities Co.,Ltd.)は今朝、長期金利(債券相場)見通しについて、概ね次のようにコメントした----。
<予想レンジ>
・長期金利(#310) 1.100%〜1.150%
・債券先物(9月限) 141.45円〜141.90円
<シナリオ>
長期金利は、欧州金融機関を巡る財務不安の再燃と、それによる米債高/円高の進行を受けて弱含みでスタート。30年利付国債入札の結果が無難であれば、低下余地を探る一方、低調に終われば債券需給の回復の鈍さが認識されて下げ渋る。
▼NY金相場/
「新高値へのトライも時間の問題」との見方高まる
スタンダード・バンク東京支店(コモディティ・トレーディング)支店代表・副支店長の池水雄一さん(Yuichi Ikemizu/ Head of Commodity Trading, Japan, Standard Bank Plc)は、NY貴金属相場(Overnight Ranges)について、概ね次のようにコメントした----。
Gold
ヨーロッパの銀行のストレステストで、彼らが持っている資産の査定の結果を疑問視するWall Street Journalの記事をきっかけにユーロ・株が売られ、ゴールドが買われて一時1260ドルまで上昇。歴史的高値まであと5ドルというレベルまで迫りました。その後は少し戻して1255ドルでニューヨークは引け。新高値へのトライも時間の問題という意見が強くなってきました。1200ドルを回復してからの動きは予想以上に早かったですね。
▼米欧商品市況/
シカゴ穀物=大豆は大幅続伸、コーンは期近が続伸
投資情報会社オーバルネクスト(社長・坂元修二氏)発行のメルマガ『朝らく!最速コモディティ情報』(本日号)に掲載された7日の海外商品市況は次のようになった----。
◎シカゴ穀物引け速報=大豆は大幅続伸、コーンは期近が続伸
大豆は大幅続伸。11月限は、連休前の高値を抜いたあと、ドル高・原油安や小麦の反落でマイナスに転落したが、単収や生産高に対する不透明感、大豆油の大口成約、輸出検証高が予想を上回ったことを受けて8月の高値を抜き、年初来高値を更新した。
コーンは期近が続伸。12月限は、小麦の急伸をはやして連休前の高値を上回ったあと、ドル高・原油安や小麦の反落を嫌気して値を消したが、単収や生産高に対する不透明感や大豆の上値追いをはやし、プラスサイドに浮上した。強気のテクニカルも支援。
(オーバルネクスト/シカゴ)
情報提供:株式会社オーバルネクスト:http://www.ovalnext.co.jp/
メールマガジン登録:http://www.mag2.com/m/0000049479.html
ニュース・チェック
★東証1+2部時価総額(7日)=286兆8901億円(前日比−1兆2979億円)
★ニュース・ヘッドライン
午前の東京株式市場=株価はほぼ全面安。急激な円高や欧米株安を嫌気して大幅下落となった。日経平均 が終値で前日比−181.61円安の9,044.39円、またTOPIXも同−14.18安の820.74、JASADAQ指数は同−0.18安の47.92となった。業種別株価指数の騰落率ランキングでは、東証33業種のうち上昇したのは空運業の1業種のみに止まった。
午前の東京外為市場=為替相場は昨日の円全面高後の小康状態で小動き。ドル円相場は83円台後半で推移、ユーロ円は106円台前半で推移している。
★堀内AIA社長のFXコメント=いつまでたっても坂の下にたどりつかない構図
AIAの堀内昭利社長は昨夜、為替相場について概ね次のようにコメントした----。「円高を望まない人には最悪のパターンだなあ。坂道を降りている車を急ブレーキばかりかけたがる政府がいるもんだから、いつまでたっても坂の下にたどりつかない構図」。(9月7日。夜中。)
★注目企業=IR情報+ニュースリリース
ソニー株式会社(6758)
■欧州向け液晶テレビ生産体制を改革
〜スペイン・バルセロナ工場をFicosa International, COMSA EMTEの2社に譲渡〜
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/201009/10-119/
■業界初 光学エンジン1系統でフルハイビジョン3Dに対応した家庭用ビデオプロジェクター
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/201009/10-0907/
積水ハウス株式会社 (1928)
■2010年8月度受注速報
http://www.sekisuihouse.co.jp/company/order/orders_2010.html

