過去の投資環境は? 相場はどう変化しているのか?今を知り、未来を読むためには過去の情報も随時追いかけることが重要です。今回は8月17日(火)の金融・経済情報をお送りします。
■特集:「円高」の根源/
2000年〜07年「円安バブル」崩壊の後遺症
"円高"が問題となっているなかで、大和総研・顧問の田谷禎三さんは、「円の水準は歴史的に見てどのくらい高くなってきているのだろうか」との視点から、「名目レートで見ると円は確かに強くなってきているが、内外物価の動きを調整した実質レートで見ると必ずしもそうとも言えない」との見方を示した。
「最近の円高は、2000 年代に入って以来2007 年あたりまでの円安バブルの調整が起こっている面があり、為替市場への介入に対する他の主要国、特にユーロ構成国などの理解は得られないだろう。しかし、産業界の心理面へのダメージを考えて介入に踏み切る場合、金融政策面からの支援も問題になるだろう。」
■日本経済:非常事態/
目先の景気対策より、抜本的なデフレ脱却措置を!
クレディ・スイス証券チ−フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は、「もはや、日本経済の問題は、短期的な景気回復の持続性ではなく、中長期的にみた経済システムの維持可能性である」として、次のように語った----。
<(強制的な)マイナス金利の実現を視野に入れる必要あり>
その意味において、当局が考慮すべきは、場当たり的な為替市場介入、量的緩和拡大、あるいは補正予算の策定ではなく、より抜本的なデフレ脱却措置である。そこでは副作用を恐れることなく、真に非伝統的な政策オプションを検討すべきであろう。具体的には、銀行券の流通制限、貯蓄課税などによる(強制的な)マイナス金利の実現を視野に入れる必要があろう。
▼4-6月期GDP/
名目GDP=3期ぶりに前期比マイナスに逆戻り
クレディ・スイス証券チ−フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は16日、4-6 月期のGDP1 次速報値について、「名目GDP 成長率は3 期ぶりに再び前期比マイナスに戻る」として、概ね、次のようにコメントした----。
(1)10 年4-6月期のGDP1次速報値では実質GDP成長率は前期比年率0.4%増と事前予想(年率2.3%増)を大きく下回った。内需の寄与度が前期比年率マイナス0.9%ポイントと3期ぶりにマイナスに転じたことが主因。
(2) GDPデフレーターは前期比1.0%下落。名目GDP成長率は前期比0.9%下落し3期ぶりにマイナスに転じた。
(3)実質民間在庫の寄与度が前期比年率マイナス0.6%ポイントと、内需全体の落ち込みの3 分の2 を占めた。また、民間企業設備投資は緩やかに回復傾向を示したものの、民間消費支出が大幅に鈍化、住宅投資は再びマイナスに転じた。
(4)外需の寄与度は減速したものの、輸出の減速というよりは、これまでの好調な輸出や生産回復にやや遅れる形で輸入が急加速したことが背景にある。
■首相+総裁会談と株価/
中身次第では昨12月と同様の局面迎える可能性も
みずほ証券・グローバル調査業務部投資戦略室エクイティストラテジストの瀬川剛さん(Tsuyoshi Segawa / Equity Strategist, Shinko Securities Co., Ltd.)は16日、今週の株式相場について次のようにコメントした----。
<今週の予想レンジ=日経平均で9000円〜9400円>
今週の東京市場は安値圏での揉み合い、下値固めの展開と予想する。引き続き為替相場、海外株式市場の動向など①外部環境に左右される、主体性に乏しい動きに終始しそうだ。②首相と日銀総裁の会談に関する観測が先週末に流された。日経平均株価は昨夏来の③下値抵抗線に再び接近しており、これを割り込むようであれば、為替相場との負の共鳴によって一時的に株価の下げが急になる可能性もあろう。信用買い残全体で見れば追証発生の窮地を抜け出せていない点も懸念要因。会談の内容を受けてそうなる可能性もあれば、負の共鳴状態の具現後に会談が執り行われ、昨年12月と同様の局面を東京市場が迎える可能性も考えられる。(注)上記コメントは基本的に原文どおりですが、冒頭の文章、タイトル、小見出しなど、一部編集してあります。
▼今日の株価予想/
円高警戒残るも、円高・経済対策報道で内需株物色か
T&Cフィナンシャルリサーチ(代表取締役・吉田恒氏/T&C FINANCIAL RESEARCH, INC.)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した----。
東京市場は円高警戒残るも、円高・経済対策の検討などの報道をきっかけに内需株が物色されそう。米NASDAQの反発でハイテク関連株の反発が見込めることや、原発・電気自動車関連などテーマ性のある銘柄への一部物色なども予想される。
直接的ではないが、ゆうちょ銀行による新興国投資への積極スタンスなどもポジティブ。最近は国内主力株への買いも見受けられ、国内株式市場への下支え効果も。ただ、当面はマクロ指標の悪化で先行き景気への不透明感が日増しに強まっており、企業決算も一巡したあとの円高への心理的な影響は残り、積極的に買いが増えるといった段階ではない。
日経平均の予想レンジは9370円−9250円。そろそろ5日移動平均線と接するタイミング。昨日まで3日連続で陽線と底堅い動きもみせており、きょうの反発につながるかが注目される。
話題の銘柄
6752 パナソニック/統合で短期業績底上げと中期成長加速、目標株価1500円
ゴールドマンでは、新株発行発表の悪材料が出尽くしたことで、しばらく中期成長を見据える局面が到来したと指摘。当面のカタリストとして、具体的な構造改革策・費用、それに伴うシナジー効果や固定費削減効果の発表を挙げた。共同購買による調達コスト削減や、拠点再編による固定費削減など、比較的業績予想に織り込みやすい内容も多いとみている。これらの点や足元の動向、為替前提の変更(90→85円/ドル)や、5000億円の資金調達を前提に22%の希薄化を織り込こんだうえで、今期以降の業績予想を修正。営業利益ベースで、今11.3期は会社予想3100億円(EPS 41.06円)に対して、2880億円→3490億円(EPS 45.7円)、来12.3期:3450億円→3850億円(EPS 55.9円)、13.3期:3910億円→4760億円(EPS 102.2円)に引き上げた。現在の株価はシナジー効果を全く織り込まないベースでもカバレッジ内での割安感が強く、13.3期に向けた一定の改善効果が見えれば、水準訂正に向かうと予想。その後は会社側の実行力が問われる局面となり、順調な統合・再編が確認できれば改善期待はさらに高まると見込む。投資判断を「中立」→「買い」へ格上げし、コンビクション・リストに新規採用。今後12カ月の目標株価を1300円→1500円に引き上げた。
トレーダーズ・ウエブ:http://www.traders.co.jp/
■ドル円予想/
米景気悪化懸念の後退とともに円安に転換へ
大和総研・投資調査部チーフ為替ストラテジストの亀岡裕次さん(Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)は16日、世界的なリスク回避に米国景気懸念が重なった今回の円相場の上昇について、「米景気悪化懸念の後退とともに円安へ」と見ている。
まず現状は、米FRB が量的緩和規模を拡大するか、FF 金利や準備預金金利を引き下げるとの見方が台頭しない限りは、短めの金利の低下は進みにくい状況。つまり、「FRB が金融緩和を強めるか、弱めるかは、今後の景気動向にかかっている」と言う。
ただ、米政府による住宅減税の反動が減衰し始めていることに加え、最近の米金利低下やドル安が米景気浮揚効果をもたらす面も考え合わせると、「米国景気の回復スピードが持ち直す可能性はある」として、こう続けた。「それは米金利上昇やリスク選好度上昇をもたらし、低金利通貨の円には下落圧力となる。米景気悪化懸念の後退とともに円高から円安に転換するだろう。」
▼海外ドル円相場/
3営業日ぶりに反落=一時85.21円まで下落
マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は今朝、FX相場の動向について次のようにコメントした----。
海外FX市場サマリー(今朝)
ドル円は3営業日ぶりに反落。前週末の安値85.56円を下抜けて、一時85.21円まで値を下げた。欧州の取引時間帯に、米長期金利が低下し日米金利差の縮小を意識した円買い・ドル売りが進んだ流れを引き継いで始まった。ニューヨークの取引時間帯に入ると、8月米ニューヨーク連銀製造業景気指数や8月NAHB住宅市場指数が予想より弱い内容となったことがドル売り材料と見なされ、下値を探る展開となった。ダウ平均が90ドル超下落し、米10年物国債の利回りが2009年3月以来の水準まで低下したことも相場の重しとなった。
ユーロドルは6日ぶりに反発。対スイスフランでドル売りが進んだ影響を受けたほか、8月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が予想より弱い内容となったことを材料にユーロ買い・ドル売りが広がった。一時1.2872 ドルまで値を上げた。ただ、米経済指標の悪化を理由にダウ平均が一時90ドル超下落したことがリスク志向にマイナスに働いたため、中盤以降は上値の重さが目立った。市場関係者からは「アジア系ソブリンネームからの売りが出た」との声が聞かれ、一時1.2804ドル前後まで下押しした。
ユーロ円は続落。欧州市場では一時110.28円まで値を上げたものの、その後は上値の重さが目立った。予想を下回る米経済指標を受け米国株価が下落すると、投資家がリスクを取りにくくなるとの見方から円買い・ユーロ売りが入った。ドル円の下落につれた売りも相場の重しとなり、一時109.16円まで下げた。
▼米欧商品市況/
NY貴金属=日本の成長鈍化で逃避買いが入り上伸
投資情報会社オーバルネクスト(社長・坂元修二氏)発行のメルマガ『朝らく!最速コモディティ情報』(本日号)に掲載された16日の海外商品市況は次のようになった----。
◎NY貴金属引け速報=上伸、日本の成長鈍化で逃避買いが入る
金は上伸。日本の成長鈍化や米NY州製造業景気指数が予想を下回ったことが景気への不透明感を強め、安全への逃避買いを集めて7月1日以来の高値に急伸した。
銀は大幅続伸。日本のGDPが予想を下回ったことが圧迫したが、ドル安や金の急伸をはやして時間外取引の高値を抜き、テクニカル買いで一週間ぶりの高値に急伸した。
プラチナは反発。日本の成長鈍化やNY州製造業景気指数が予想を下回ったことが嫌気されたが、ドル安加速や金の急伸をはやして切り返した。ただ、インサイドデー。
パラジウムは大幅続伸。世界の景気減速懸念が弱材料となったが、ドル安加速や金の急伸、株価・原油の反発をはやし、テクニカル買いで一週間ぶりの高値に急伸した。
(オーバルネクスト/シカゴ)
情報提供:株式会社オーバルネクスト:http://www.ovalnext.co.jp/
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ニュース・チェック
★東証1+2部時価総額(16日)=284兆0784億円(前日比−8737億円)
★ニュース・ヘッドライン
午前の東京株式市場=株価は円高や米国株軟調で大きく下げるもアジア堅調で下げ幅縮める。日経平均 が終値で前日比−67.82円安の9,128.85円、またTOPIXも同−5.13安の823.50、JASADAQ指数は同−0.26安の48.19となった。業種別株価指数の騰落率ランキングでは、東証33業種のうち上昇したのは電気・ガス業とパルプ・紙の2業種のみ。
午前の東京外為市場=為替相場はやや円高気味で小康状態。ドル円相場は85円台前半で推移、ユーロ円は 109円台前半で推移している。
★注目企業=IR情報+ニュースリリース
大和証券グループ本社(8601)
■大和証券キャピタル・マーケッツ株式会社:欧州・中近東における株式ビジネス強化についてMeurig Williams氏をグローバル・エクイティ・ライン・欧州・中近東ヘッドに任命
■大和PI パートナーズ株式会社による、DA オフィス投資法人の投資口取得についてのお知らせ
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