過去の投資環境は? 相場はどう変化しているのか?今を知り、未来を読むためには過去の情報も随時追いかけることが重要です。今回は8月16日(月)の金融・経済情報をお送りします。
■GDPと追加緩和/
量的緩和追加の是非を判断すべきタイミング近づく?
クレディ・スイス証券チ−フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は、日本の4-6 月期のGDP 成長率(前期比・年率)は、実質で+0.4%、名目では−3.7%となったとした上で、今後の日銀の追加緩和について次のように語った----。
名目在庫投資の縮小が名目ベースでの大幅マイナス成長の主因ではあるが、企業収益、財政バランスにとって重要な名目GDPが減少したことは、①デフレの継続、②財政破綻確率の上昇、を意味するため、与党・政府の一部(主流ではない)が日銀に対する圧力を一気に高める可能性が高い。
▼4-6月期GDP/
外需と在庫を主因に、市場予想比総じて下振れ
大和総研・経済調査部シニアエコノミストの熊谷亮丸さん(Mitsumaru Kumagai / Senior Economist, Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)は今朝、発表された2010年2Q・GDP1次速報について、「外需と在庫を主因に下振れ」として、次のようにクイックコメントした----。
【1】市場コンセンサスを大幅に下回る
2010年4-6月期の実質GDP成長率(1次速報)は前期比年率+0.4%(前期比+0.1%)と辛うじて3四半期連続のプラス成長となったものの、前期実績(同+4.4%、同+1.1%)や市場コンセンサス(同+2.3%、同+0.6%)を大幅に下回った。実質GDP成長率(前期比ベース)への寄与度を見ると、外需(+0.3%ポイント)が5四半期連続のプラス寄与となる一方で、内需(▲0.2%ポイント)が3四半期振りのマイナスに転じるなど、先行きの景気回復の持続性に疑問を残す内容であった。なお、GDPデフレーター(市場コンセンサス:前年比▲1.8%→実績:同▲1.8%)は市場コンセンサス通りの結果となり、5四半期連続で低下した。この結果、名目GDP成長率は前期比年率▲3.7%(前期比▲0.9%)と3四半期振りのマイナスに転じた。
▼株式:銘柄選択法/
「さわかみファンド」の面柄選択はここが違う
さわかみ投信・社長の澤上篤人さん(Atsuto Sawakami/President, Sawakami Asset Management Inc.)は、「さわかみファンド」では、出発時点から違うとして、独自の銘柄選択法について次のように語った----。
先ずは徹底的な企業リサーチして、5年10年くらい先に花開くような夢を共有できる企業を投資対象として選別する。将来が楽しみな研究開発をしているとか、この新技術が実用化されたらすごいことになるといった観点で、長期応援銘柄を選別するわけだ。
もっとも、夢を追いかけている間に経営が行き詰まっては話しにならないから、財務状況をはじめあらゆる角度から事業分析をする。たとえば、いろいろな状況変化を織り込んだ上で10年先の予想財務諸表を作成し、徹底的にその会社の持続的な成長可能性を検討する。
▼今日の株価予想/
今週の焦点探るべく、商い低調のなか方向感乏しい?
T&Cフィナンシャルリサーチ(代表取締役・吉田恒氏/T&C FINANCIAL RESEARCH, INC.)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した----。
東京市場は小幅安の展開か。米ハイテク株の軟調で国内でもハイテク関連は手掛けづらく、日経平均の上値を抑える要因に。ただ、ドル円が86円台で落ち着いた動きとなっていることや、国内年金による主力株への押し目買い期待を背景に下値も限定的か。寄り前の国内4−6月期GDP速報値(実質・前期比年率2.3%)の発表で為替動向を通じて振れる可能性はあるものの、基本的には今週の焦点を探るべく、商い低調のなか方向感に乏しい展開が予想される。
日経平均の予想レンジは9250円−9190円。5日移動平均線や25日移動平均線は短期的に下げが続き、株価の上値抵抗になってくるため、5日移動平均線が接近したあとの動きが重要。9400円〜9500円処は抵抗が強く上値が切り下がってくる場合、下降三角形の株価もち合いパターンになり、将来的に下ブレリスクが残る。
週足の一目均衡表からは、今週も横ばいの転換線9658円と雲下限9001円の間での動きが予想される。来週は転換線の下落、8月最終週は雲下限がこれまでの横ばいから上昇に転じる。そういったことからも、来週から8月最終週にかけて、上下に大きく動き出すとの見方ができる。
話題の銘柄
2269 明治ホールディングス/事業の高成長は来期も続く見通し、目標株価4500円
同社は8月11日、今11.3期の1Q決算を発表。営業利益が前年同期比70.7%増の92億円となった。低価格商品への需要シフトで価格競争が激化したことを背景に、牛乳類や飲料などで苦戦したが、チーズやアイスクリームは好調だった。原材料コストの低減や製造関連コストの効率化なども寄与したもよう。通期の営業利益予想は前期比0.7%増の290億円で据え置き。進ちょく率は32%となっている。野村では、1Q決算の大幅営業増益について、大きなポジティブサプライズと評価。薬価改定の影響や国内食品市場の厳しい販売環境の中にありながら、医薬品、乳製品、菓子・健康の全セグメントで増益を確保した点に注目した。特に医薬品事業では、会社計画よりも強気だった野村予想も上回っており、来期も引き続き高成長が続く見通し。株価の割安感が強まったと指摘。レーティング「1」を継続し、目標株価を4400円→4500円と引き上げた。
トレーダーズ・ウエブ:http://www.traders.co.jp/
■ドル円予想/
米金利低下によるドル安は長続きするとみるべきでない
10日の米FOMC以降、米国金利の低下を受けてドル円が下落を続けてきたが、大和総研・投資調査部チーフ為替ストラテジストの亀岡裕次さん(Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)は13日、「米金利低下によるドル安は限定的」との見方を示した。
亀岡さんはそう見る理由は、「FOMC での米長期国債への再投資決定を受けて米国債利回りは低下したが、2 年物以下の金利低下は限定的だ」というもの。すでにFF実効レート水準まで低下したドルOIS 3ヶ月物も金利低下が抑えられた。
■今週の予想レンジ(先週のレンジ)
ドル/円: 84.50− 87.50 ( 84.73− 86.24)
ユーロ/円:109.00−113.00 (109.23−113.94) ユーロ/ドル:1.2750−1.3050 (1.2781−1.3308)
豪ドル/円 76.00− 80.00 ( 75.85− 78.83) 豪ドル/ドル:0.8900−0.9200 (0.8914−0.9206)
■FX相場ウォッチ/
為替介入しても安定せず、円は乱高下となる!
AIAの堀内昭利社長(Akitoshi Horiuchi/ President, AIA Business Consulting Ltd.)は昨夜、為替相場について概ね次のようにコメントした----。
新聞は各紙そろって為替介入しろって騒がしいね。言うのは勝手だけど、社説はどうもなあ。この程度の水準で騒いでいたらどうすんのかなと思う訳よ。昔の85円と今の85円は全く違う85円だしね。
輸出が悲鳴とかよく書かれているけど、それは360円が300円になった時も、270円が180円になった時も、150円が100円になった時もそうだったんだよ。事はそう簡単に分析できないんだよ。当時の論調から考えたら日本の大企業は全て倒産してしまっているよ。だから、単純に100円が85円になったから輸出産業が総崩れってわけでもないんだ。
▼海外FX相場/
ドル円=続伸:一時86.39円まで上昇した
マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は今朝、FX相場の動向について次のようにコメントした----。
海外FX市場サマリー(今朝)
ドル円は続伸。一時86.39円まで上昇した。アジア時間に複数のメディアが「菅首相が白川日銀総裁と来週会談する方向で調整中」と伝えるなど、日本の当局による円売り介入などの円高対応策への警戒感が広がっており、週末を控えていったん投機筋から利益確定の買い戻しが入りやすかった。対ユーロでドル買いの勢いが増した場面で、円に対してもドル買いが加速。戻りの目処として意識されていた10日高値の86.25円や7月16日安値の86.27円を上抜けて、ストップロスを誘発した。
13日発表の米経済指標への直接の反応は限定的だった。
ユーロドルは5日続落。一時 1.2750ドルと7月22日以来の安値まで売られた。欧州市場で、ギリシャなど南欧諸国とドイツの10年物国債の利回りスプレッドが拡大したことを背景に、ユーロ圏の財政・金融問題が改めて意識されてユーロが売られた流れを引き継いだ。アイルランドの信用不安がくすぶっていることも相場の重しとなった。ユーロポンドが前日安値を下抜けるとストップロスを巻き込む格好で下げ足を速めたこともユーロドルを押し下げた。ユーロポンドは0.81755ポンドまで下落した。
ユーロ円は反落。欧州市場から、欧財政・金融問題への懸念を背景にユーロが売られた地合いを引き継いだ。米国株がさえない展開だったことも投資家のリスク志向にマイナスに働き、売りを誘うと109.55円まで下落した。もっとも、ドル円の買いが強まったことにつれた円売り・ユーロ買いが出たため、一時110円台を回復するなど下げ渋って引けた。
▼NY金相場/
1200ドル超えて、実需買いはとりあえず一服
スタンダード・バンク東京支店(コモディティ・トレーディング)支店代表・副支店長の池水雄一さん(Yuichi Ikemizu/ Head of Commodity Trading, Japan, Standard Bank Plc)は、NY貴金属相場(Overnight Ranges)について、概ね次のようにコメントした----。
Gold
休んでいる間にゴールドは1200ドルを回復。先週は結局1215ドルという一ヶ月ぶりの高値で引けましたね。米国のさらなる金融緩和への動きがその根底にある気がします。1200ドルを超えて、実需の買いはとりあえず一服といったところです。マーケットはまだholidayモードだと思います。ここからさらなる上げにはまだ時期尚早だという気がしますがどうでしょうか。
Silver&PGMs
このところのパターンでゴールドがしっかりの時はこちらは若干頭が重い展開になりがち。でもしっかりと下値では支えられているというところでしょうか。上がるでしょう、こちらも。
▼米欧商品市況/
シカゴ穀物=大豆、コーンとも投機買い誘い大幅続伸
投資情報会社オーバルネクスト(社長・坂元修二氏)発行のメルマガ『朝らく!最速コモディティ情報』(本日号)に掲載された13日の海外商品市況は次のようになった----。
◎シカゴ穀物引け速報=大豆は総じて大幅続伸、コーンは大幅続伸
大豆は総じて大幅続伸。11月限は小麦高や好調な輸出をはやして前日の高値を抜いたあと、ドル高・原油安や小麦の反落で地合いを後退したが、投機買いがテクニカル買いを誘って時間外取引の高値を抜いた。中国の大口成約が続くことが強材料。
コーンは大幅続伸。12月限は、小麦続伸や輸出の増加観測をはやして買いが先行したあと、ドル高や原油安、小麦の反落で地合いを弱めたが、投機筋のテクニカル買いで時間外取引の高値を突破した。ただ、前日の高値を試す勢いはなく、上げ幅を削った。
(オーバルネクスト/シカゴ)
情報提供:株式会社オーバルネクスト:http://www.ovalnext.co.jp/
メールマガジン登録:http://www.mag2.com/m/0000049479.html
ニュース・チェック
★東証1+2部時価総額(13日)=285兆6577億円(前日比+1兆2132億円)
★ニュース・ヘッドライン
午前の東京株式市場=株価は円高と今朝発表の4−6月期GDPの予想比下振れで大幅下落。日経平均 が終値で前日比−86.53円安の9,166.93円、またTOPIXも同−5.81安の825.43、JASADAQ指数は同−0.11安の48.33となった。業種別株価指数の騰落率ランキングでは、東証33業種のうち上昇したのは6業種。不動産業、食料品、水産・農林業、医薬品などが上位を占めた。
午前の東京外為市場=為替相場は円が全面高の様相。ドル円相場は85円台後半で推移、ユーロ円は109円台後半で推移している。

