過去の投資環境は? 相場はどう変化しているのか?今を知り、未来を読むためには過去の情報も随時追いかけることが重要です。今回は8月26日(木)の金融・経済情報をお送りします。
■ソブリン・バブルの可能性/
今回の長期金利低下の構図=2003年と違い長持ち
東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満さん(Mitsuru Saito/Chief Economist, Tokai Tokyo Securities Co.,Ltd.)は25日、主要国の国債利回りが大幅な低下を見せ、一部には2003 年以来のソブリン・バブルという言葉が飛び交うようになったことに関して次のような見方を示した----。
一方では堅調な欧米の株価との乖離に関心が寄せられている。株式市場の強気が正しければ、国債への投資家は今後大きな損失を被るリスクがあり、債券市場が正しければ、株はいずれ大きく下落して、株の投資家が損を被る、という。日本の財政同様、ワニのように大きく開いた口が、株価という上あごが閉じる形になるか、長期金利の下あごを閉じる形になるのか。
今回は株価が下落してワニ口がある程度縮まることはあっても、ソブリン価格の急落(金利上昇)のリスクはあまり大きくないとみられる。まずは今回の長期金利低下の要因を整理してみよう。
▼7月貿易統計/
貿易シェア大の対アジア輸出回復は一旦ピーク打った?
クレディ・スイス証券チ−フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は25日、前年比119.9%増8042 億円と事前予想(4663 億円)を大きく上回り14ヶ月連続増加した7月の貿易黒字額について、「中身はそれほど良くなかった貿易統計」として次のようにコメントした----。
(1)季節調整済みでも黒字額は前月比18.6%増と2ヶ月連続増加となり、7-9 月期の最初の月としては好調なスタートを切ったといえよう。しかし、貿易黒字の増加にもかかわらず、中身はそれほど良くはなかった。
(2)黒字額が事前予想を上回ったのは輸入の伸び悩みが主因である。輸出額が前月の前年比27.7%増から同23.5%増へ4.2 ポイント低下したのに対し、輸入額は同26.1%増から同15.7%増へ10.4 ポイント低下した。また、季節調整済みでは輸出は3ヶ月連続、輸入は2ヶ月連続減少した。グローバル景気の回復モメンタムが鈍化するにつれ、輸出、輸入ともに頭打ちの様相を示してきた。
GM(米ゼネラル・モーターズ)のIPO
破産、政府によるテイクオーバー、会社再建の過程を経たGMが、今年の秋、株のIPO(initial public offering)をすべくその手続きに入りました。今年第1四半期は8億6500万ドル、第2四半期は13億ドルの純利益を出し、政府支援のうちの70億ドルも春返済し、6月末時点の手持ち資金は267億ドル、負債は81億ドルとGMの財務状況は明らかに好転しました。1年前は40%に満たなかった工場の稼働率も現在は93%、車一台あたりの平均利益は2177ドル。1日も早く"Government Motors"のイメージから脱却することを目指す"General Motors"としては、今こそIPOの時期が到来したと判断したのでしょう。
IPOの手続き開始に先立って、GMは12日に、エド・ホイットエイカー会長兼CEOが今月末をもってCEO職を降り、ダニエル・エイカーソン(Daniel Akerson)取締役が新しくCEOに就任することを発表しました。これはGMの取締役会の決定で、ホイットエイカーが無理にCEO職から降ろされた訳ではないようですが、ホイットエイカーはIPOはできれば来年初め頃まで待つべきことを示唆していました。GM株の61%を保有する連邦政府(オバマ政権)は中間選挙を前にしてGMのテイクオーバーと再建の成功、自動車産業の雇用の防衛を誇示したいという強い政治的願望があり、ホイットエイカー会長とは若干の対立が生じていると伝えられていたので、連邦政府の圧力が無かったとは言えないでしょう。CEOのエイカーソンへの突然の交代はIPOを早期に実施するためのステップだったと見なされます。
▼今日の株価予想/
米株反発で途中戻りあるも、日経は5日続落か
T&Cフィナンシャルリサーチ(代表取締役・吉田恒氏/T&C FINANCIAL RESEARCH, INC.)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した----。
東京市場はさえない展開が続きそうだ。米株は小幅ながらも反発、CME225先物の8910円を背景に朝方は買い戻しが先行するイメージか。小幅な動きを挟みながら戻りを試す場面も想定されるが、海外株や為替動向をにらみながらの展開が基本スタンスだろう。
日経平均の予想レンジは8900円−8700円。25日移動平均線とのかい離率はマイナス5.7%、東証一部の騰落レシオは81.8%(25日)と突っ込み警戒感も強い。また米経済指標に減速感はあるが、株式市場はやや織りこむ動きとなっており、値ごろ感で見直し買いが意識されるような雰囲気も。
一方、当局の対応も後手後手で政策に対するマーケットへのインパクトは限定的との見方が強い。早くて大規模な対応でマーケットにサプライズを与えるような行動がないと、出来高の増加をともなって反転する、といった動きにはなりづらい。
25日のダウ平均は19.61ドル高と小幅反発。NASDAQは17.78ポイント高、S&P500は3.46ポイント上昇した。7月の耐久財受注と新築住宅販売件数の結果を嫌気され、ダウ平均は一時102.47ドル安まで下落。ただ、引き続き1万ドル割れ水準ではショートカバーが意識されプラス圏を回復した。 業種別では一般消費財やヘルスケアなどが堅調、テクノロジーや金融セクターなども上昇した。ドル建てCME225先物は昨日の大証日中終値と比べ80円高の8910円、円建ては80円高の8910円となった。
話題の銘柄
9086 日立物流/成長企業として再度飛躍期へ、目標株価1600円→1650円
みずほでは、「11年3月期第1四半期決算を踏まえて、日立物流の業績予想等を見直した。11年3月期当社予想は大幅な上方修正となった。(1)増収率、(2)営業利益率、の再考が主因である。結果、11年3月期当社予想営業利益率(4.6%)は、02年3月期(東京モノレール売却)以降、過去最高を更新する。リーマン・ショック後の収支構造の強化後、売上高が大幅伸長する効果が大きい。(1)国内では『プラットフォーム事業』の各業界への展開、(2)海外では北米・欧州・アジア・中国の4極事業の加速、等が引き続き期待される」、「当社では、日立物流は今後も、企業による物流業務の外部委託の流れを享受し、コア事業たる3PLを拡大し得ると見ている。国内外でのM&Aを通じた業容拡大も引き続き注目される。特に『業界プラットフォーム事業』といった成長モデルに引き続き注目する」と指摘。今2011年3月期連結営業利益を会社計画148億円(EPS67.2円)に対し従来予想155億円(EPS72.6円)から175億円(EPS82.5円)へ、来2012年3月期同174億円(EPS82.5円)から195億円(EPS92.3円)へ、2013年3月期195億円(EPS93.2円)から220億円(EPS104.0円)へ増額。投資判断「アウトパフォーム」を継続、目標株価を従来の1600円から1650円に引き上げた。
トレーダーズ・ウエブ:http://www.traders.co.jp/
■円高対策のジレンマ/
為替介入したら、いつものように米国から嫌がらせ受ける?!
AIAの堀内昭利社長(Akitoshi Horiuchi/ President, AIA Business Consulting Ltd.)は昨夜、為替相場について概ね次のようにコメントした----。
政府とマスコミがうるさいから敬意を表してしばらく静かにしようぜ、って感じの相場。しかし、こんな中途半端なところで反発したら、後日もっと騒ぐことになるよ。ま、どうでもいいけど。戻ったら戻ったで輸出はまた欲張って売らないよ。だからきりがないんだよ。どちらにしても介入したらアメリカ怒るだろうなあ。必ず嫌がらせを受けるよ。いつもそうだから。(8月25日。夜中。)
▼海外ドル円相場/
米株価堅調・金利上昇から、3営業日ぶりに反発
マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は今朝、FX相場の動向について次のようにコメントした----。
海外FX市場サマリー(今朝)
ドル円は3営業日ぶりに反発。欧州の取引時間帯に、欧州株価や時間外のダウ先物がマイナス圏に沈んだことを受けて、円高・ドル安が進んだ流れを引き継いで始まった。7月米耐久財受注額や7月米新築住宅販売件数が予想より弱い内容だったことが分かると、一時84.03円付近まで下押しした。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。日本当局が為替介入を実施するとの警戒感が残る中、100ドル超下落したダウ平均がプラス圏に浮上したことが買い戻し誘った。米5年物国債の入札後に米金利が上昇したことも相場の支えとなり、欧州時間の高値84.68円や11日の安値84.72円を上抜けて、一時 84.83円まで値を上げた。
ユーロドルは6日ぶりに反発。欧州市場で、予想を上回る独経済指標を好感して一時1.2727ドルまで値を上げた後、欧州の一部の国で景気の先行き不透明感が強まっていることを背景にユーロ売りが進んだ流れを引き継いだ。一時1.2608ドルまで値を下げた。ただ、その後は1.26ドル台半ばでのもみ合いに。予想を下回る米経済指標が相次いだことでユーロ買い・ドル売りが入る半面、ユーロスイスフランが一時1.2971スイスフランとユーロ導入来の安値まで売り込まれたため上値は限られた。
ユーロ円は6日ぶりに反発。予想を下回る米経済指標を受け、ダウ先物が下げ幅を広げると一時106円台半ばまで下押ししたものの、その後はドル円の上昇につれた円売り・ユーロ買いが出たため107円台半ばまで値を戻した。安く始まった米国株価が上げに転じたことも買い戻しを促した。
▼今日の長期金利/
反発するが、レンジをやや切り上げるに止まると見る
三菱UFJモルガン・スタンレー証券・デットリサーチ部チ−フ債券ストラテジストの石井純さん(Jun Ishii/ Chief Fixed Income Strategist, Mitsubishi UFJ Morgan Stanley Securities Co.,Ltd.)は今朝、長期金利(債券相場)見通しについて、概ね次のようにコメントした----。
<予想レンジ>
・長期金利(#309) 0.895%〜0.920%
・債券先物(9月限) 142.85円〜143.10円
<シナリオ>
長期金利は昨日の米株高/米債安を手掛かりに反発してスタート。もっとも、米経済指標の下振れ、ユーロ圏周辺国のソブリン・リスク再燃、くすぶる円高圧力などから、レンジをやや切り上げることに止まる。
債券先物チャート
9月限の日足は前日と同じ下影小陰線。小マド(143.00円〜143.01円)を空けて上振れし、直近のザラバ高値:143.04円(8月20日)を更新。上値抵抗線だった143円も超えて引けた。
▼NY金相場/
現水準から高値目指すには、投資マネーの買いが必要
スタンダード・バンク東京支店(コモディティ・トレーディング)支店代表・副支店長の池水雄一さん(Yuichi Ikemizu/ Head of Commodity Trading, Japan, Standard Bank Plc)は、NY貴金属相場(Overnight Ranges)について、概ね次のようにコメントした----。
Gold
ゴールドはニューヨークで1240ドルまで上昇。7月1日以来ほぼ二ヶ月ぶりの高値になりました。あれよあれよと言う間に市場最高値の1265ドルまであと25ドルというところまできました。かえすがえすもやはり1200ドル割れは買いでしたね。昨日WGCから2010年第二四半期の金需給統計が発表されました。今朝の日経新聞商品欄にその記事が出ていましたが、やはり投資マネーの流入が記録的なのが見て取れます。個人の投資が29%伸びて243トン、そしてETFが強烈、414%も伸びて291トン増加です。これは2009年の1-3月期に次ぐ大きな伸びです。後日要約したいと思います。
▼米欧商品市況/
NY貴金属=続伸、特に銀とパラジウムが大幅続伸
投資情報会社オーバルネクスト(社長・坂元修二氏)発行のメルマガ『朝らく!最速コモディティ情報』(本日号)に掲載された25日の海外商品市況は次のようになった----。
◎NY貴金属引け速報=続伸、米景気減速で安全への逃避買いが続く
金は反発。米耐久財受注が予想を下回ったことや新築住宅販売が1963年以来の低水準に減少したことが景気減速感を強め、逃避買いが続いて先週の高値を抜いた。
銀は大幅続伸。米経済統計は景気減速を示唆したが、金の上昇に追随して抵抗を突破し、逆指し買いを誘う展開が続き、6月28日以来始めて19ドル超えを果たした。
プラチナは続伸。ドル安や金の上昇で前日高値を抜いたあと、米住宅販売急減で押されたが、産業需要比率の高い銀が急騰したことから4営業日ぶりの高値を付けた。
パラジウムは大幅続伸。米景気減速にもかかわらず、他の貴金属の急騰をはやして前日高値を抜き、テクニカル買いで地合いを強めた。株の戻りや原油の急反発も強材料。
(オーバルネクスト/シカゴ)
情報提供:株式会社オーバルネクスト:http://www.ovalnext.co.jp/
メールマガジン登録:http://www.mag2.com/m/0000049479.html
ニュース・チェック
★東証1+2部時価総額(25日)=277兆5588億円(前日比−3兆4055億円)
★ニュース・ヘッドライン
午前の東京株式市場=株価は円の反落を受けて反発するも上値は重い。日経平均 が終値で前日比+27.13円高の8,872.52円、またTOPIXも同+0.30高の807.61、JASADAQ指数は同+0.09高安の47.80となった。業種別株価指数の騰落率ランキングでは、東証33業種のうち上昇したのは15業種。その他製品、ガラス・土石製品、化学工業などが上位を占めた。
午前の東京外為市場=為替相場は為替介入への警戒感から円が総じて軟調。ドル円相場は84円台後半で推移、ユーロ円は107円台前半で推移している。
★注目企業=IR情報+ニュースリリース
三菱商事・ユービーエス・リアルティ株式会社
日本リテールファンド投資法人(8953)
■資金の借入(借換)に関するお知らせ
http://r26.smp.ne.jp/u/No/140092/4flVgFCGE010_677/100825001.html
いちよし証券(8624)
■飯田証券株式会社との簡易合併に関するお知らせ
http://www.ichiyoshi.co.jp/stockholder/pdf/20100825_iida_j.pdf
■佐世保證券株式会社との簡易合併に関するお知らせ
http://www.ichiyoshi.co.jp/stockholder/pdf/20100825_sasebo_j.pdf
住商情報システム株式会社 (9719)
■電気興業株式会社のグループ共通会計システムとして「ProActive E2」が本番稼動
〜来るべきIFRS への備えとグループのガバナンス強化を実現〜
http://www.scs.co.jp/
株式会社サイバーエージェント(4751)
■海外向けアバターコミュニティサービス「AmebaPico」が約5ヶ月半で会員数200万人を突破
日本のヴィジュアル系バンドAlice Nine(アリスナイン)とのコラボアイテムを販売開始
http://ir.cyberagent.co.jp/

