過去の投資環境は? 相場はどう変化しているのか?今を知り、未来を読むためには過去の情報も随時追いかけることが重要です。今回は7月7日(水)の金融・経済情報をお送りします。
■消費税増税論の行方/
G20でぶち上げ"第3の道"政策は「国際公約」
クレディ・スイス証券チ−フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は6日、今回の参院選の争点になっている消費税増税論の使途について次のように語った----。
税収を介護事業等に重点的に投入し雇用創出によってデフレ脱却を図るという"第3 の道"政策に対する国民の反応は芳しくない。雇用創出の実感が湧かないからである。このため、菅政権は「消費税は基本的には社会保障財源である」という従来型の言い回しに回帰せざるを得なくなっており、増税と成長戦略の融合という戦略から距離を置いている。
もっとも、G20 では"第3 の道"政策を大々的にぶち上げており、国際公約としてしまった。こうした国内と海外における使い分けを最終的にどのように決着させるのか、先が見えない。さらに、消費税の逆累進性に配慮した低所得者向け税還付の可能性を示唆し始めているが、その実現性は低い。消費税増税論は迷走の状態にある。
■日本経済見通し/
景気の裾野拡大vs.グローバルな下振れリスク
大和総研・経済調査部シニアエコノミストの熊谷亮丸さん(Mitsumaru Kumagai / Senior Economist, Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)は、日本経済の行方に関して、景気回復の裾野は徐々に拡大するものの、グローバル経済の下振れリスクに要注意だと見ている----。
【1】メインシナリオでは日本経済の緩やかな回復を想定
当社は、わが国の実質GDP 成長率に関して、2010 年度が前年比+2.9%、11 年度が同+2.3%と予想している(→詳細は「第165 回 日本経済予測(改訂版):2010 年6 月10 日付」参照)。2010 年1-3 月期の実質GDP 成長率(二次速報)は前期比年率+5.0 %(前期比+1.2%)と、一次速報(前期比年率+4.9%、前期比+1.2%)から小幅ながら上方修正された。実質GDP 成長率(前期比ベース)への寄与度を見ると、外需(+0.7%ポイント)が4 四半期連続、個人消費と設備投資を中心とする内需(+0.6%ポイント)が2 四半期連続のプラス寄与となっており、景気回復の裾野は着実に拡大している。わが国では、雇用環境が最悪期を脱し、個人消費、設備投資を中心とする内需が底入れしつつある。今後に関しても、メインシナリオとしては、2010 年後半にかけて日本経済の成長ペースは一旦鈍化するものの、世界経済の回復を背景とする緩やかな景気拡大が続く見通しである。
■後退:FRB出口戦略/
出口戦略の矛を収め、再び金融緩和でデフレ阻止へ
東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満さん(Mitsuru Saito/Chief Economist, Tokai Tokyo Securities Co.,Ltd.)は、中国やインドなど、アジア新興国でインフレが高まり、金融引締め策がとられる反面、先進国では逆にデフレ懸念が強まっているとして、「デフレ懸念でFRBの出口戦略後退」について次のように語った----。
<デフレ懸念台頭で、従来のユーロ安・ドル高からドル安に転換>
欧米の債券市場ではイールド・カーブがブル・フラット化(長期金利の低下による長短金利差縮小)が進んでいる。これは短期金利が実質ゼロ金利で低く抑えられているものの、先行きインフレ懸念どころか、むしろデフレを懸念する声が強まっているためだ。米国ではコアCPI上昇率が1%を割り込むようになり、先のFOMCでは「基調インフレ率の低下」認識を示した。
■中国マネー動向/
中国の日本国債投資は、為替相場を支配しない
オフィス セントポーリア代表の馬渕治好さん(Haruyoshi Mabuchi:CFA/ President, Office Saintpaulia)は6日、先日の「中国、日本国債の購入拡大」の報道を受けて、円相場への影響について、「中国の行動だけで為替レートが決まるわけではない」と語った----。
まず、1〜4月に中国が日本国債を大量に買い越して実際何が起こったかと言えば、円安気味の推移であった。なぜか。為替相場は中国の売買だけで決まっているわけではないからである。これはごくごく当たり前のことだ。
▼今日の株価予想/
日経平均の予想レンジ=9250円−9450円
T&Cフィナンシャルリサーチ(代表取締役・吉田恒氏/T&C FINANCIAL RESEARCH, INC.)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した----。
東京市場は堅調な展開となりそうだ。欧州市場で銀行のストレステストは問題なく通過するとの見方や、株式市場は売られすぎとの見方が浮上。連休明けの米国市場は経済指標が予想を下回ったものの、欧州市場に連れ高する形で反発した。
この流れを受けて、7日の東京市場も朝方は買いが先行するも、その後は中国市場や為替の動向をにらみながらもみ合うとみている。前日の売買代金は1兆円を超えたが、オプションSQや週末の参議院選挙を控えて、投資家が商いを一段と手控える可能性も否めず、再び1兆円を割り込む可能性もあるだろう。6日は不動産や商社、鉄鋼など大型株の買い戻しが目立ったが、商いが細れば値動きのよい低位材料株へ短期資金が向かうことも考えられる。
日経平均の予想レンジは9250円−9450円。87円台半ばに定着した為替が重しとなって節目の9500円までは届かないものの、ショートカバーなどで底堅く推移するとみている。
6日のNY株式相場は小幅反発。6月ISM非製造業景況指数の結果が予想を下回ったものの、ショートカバー主体により買い優勢となった。独立記念日の振替休日を受けた3連休明けは、欧州株などに連れて、値ごろ感から買い戻しが入った。 NASDAQは前日比2.09ポイント高の2093.88ポイント、S&P500は同5.48ポイント高の1028.06ポイントで終了。ドル建てCME225先物は昨日の大証日中終値に比べ10円安の9340円、円建ては30円安の9320円となった。
話題の銘柄
9009 京成電鉄/「成田スカイアクセス」で変わる、目標株価580円
BofA MLでは、「同社の11年3月期営業利益を200億円(前期比9.7%減、会社計画189億円)と予想。11年3月期の主たる業績変動要因は7月17日開業予定の『成田スカイアクセス』の旅客人員だろう。スカイアクセスは都心から成田空港の運行時間を現行の51分から36分に時間短縮を図る成田空港への鉄道輸送では最速の列車。成田空港では年間発着能力を2009年の22万回から2011年には25万回、2015年には30万回に増強する計画を持つ。仮に年間30万回の発着能力が可能になれば、当社の相関分析では同社の旅客数は1810万人、10年3月期対比で30%増加すると試算される。加えて、同社の旅客人員には『東京スカイツリー』開業が影響するだろう。『東京スカイツリー』は東武鉄道グループが事業主体だが、同社の『押上駅』は『東京スカイツリー』に隣接しており、同社沿線や成田空港からの観光客の鉄道利用が見込まれる」と指摘。今2011年3月期連結営業利益を会社計画189億円(EPS32.0円)に対し200億円(EPS33.7円)、来2012年3月期230億円(EPS40.8円)、2013年3月期253億円(EPS45.1円)と予想。不動産価値の評価を考慮した"sum of the valuation"から導かれる妥当EV/EBITDA倍率14倍、中期的なROEと推定株主資本コストから導かれる妥当PBR1.1倍の複合バリュエーションから、目標株価を580円と設定。投資評価「買い」で新規カバレッジを開始した。
トレーダーズ・ウエブ:http://www.traders.co.jp/
■FRB利上げ遅れとドル円/
向こう1ヶ月の予想レンジ=85円-93円に下方修正
クレディ・スイス証券、経済調査部ストラテジストの小笠原悟さん(Satoru Ogasawara/Strategist, Credit Suisse Securities Ltd.)は6日、「市場はユーロ圏の財政赤字問題のみならず、米景気の先行き見通しに対して慎重さを増しており、しばらくドル/円には下落圧力が続きそうだ」として、こう続けた。
「当社では現段階で従来の予想レンジ(88円-93円)を大きく下回り、85円割れするような事態は想定していないが、市場参加者が夏季休暇に入る7-8 月にかけては売買高が細るため、リスク・イベントしだいではドル/円が一時的にも下振れる可能性があることに注意したい。また、最近の経済データやFOMC 声明文の文言から、市場では利上げの開始時期がさらに先送りとなることを織り込み始めたようだ。こうした状況を踏まえ、向こう1 ヶ月の予想レンジも85円-93円 へと下方修正する。」
▼FX相場ウォッチ/
欧州、太平洋、ドル円=非常にギクシャクした相場
AIAの堀内昭利社長(Akitoshi Horiuchi/ President, AIA Business Consulting Ltd.)は昨夜、為替相場について概ね次のようにコメントした----。
非常にギクシャクした相場だね。欧州通貨強いと思えばポンドは落ちるしね。太平洋は売られ過ぎの反発だしね。ドル円は、総員戻り期待で戻れないって感じだしね。米債、金、原油ときな臭いし。(7月6日夜)
▼FX相場予想/
益々短期売買に傾斜=FX相場も安値圏で乱高下に
マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は昨夕から今朝、FX相場の動向について次のようにコメントした----。
<6日> 6日はアジア株やダウ先物が上昇していますが、特に株を積極的に買っていくような材料がでてきたわけではなく、これまで売り込まれていた分、買い戻されているようです。日々上げ下げを繰り返す、相当難しい相場になっています。
分かりにくい相場ということで、年金や投信など、長期投資を基本とするリアルマネーも金融市場に入ってきていませんから、相場は益々短期売買に傾いてしまいます。為替相場も安値圏での乱高下になってしまうのではないでしょうか。
▼NY金投資戦略/
何時も勝つのは実需筋=ここはBargain hunting point?
スタンダード・バンク東京支店(コモディティ・トレーディング)支店代表・副支店長の池水雄一さん(Yuichi Ikemizu/ Head of Commodity Trading, Japan, Standard Bank Plc)は、NY貴金属相場(Overnight Ranges)について、概ね次のようにコメントした----。
Gold
ニューヨーク休日明けの昨日は午前中は弱いトーンで各メタルは下値トライでしたが、午後に入って持ち直し、結局あまり大きな動きのないままヨーロッパに入りました。ヨーロッパでも静かでほとんど動かず。しかしニューヨークにはいり大きく動きました。ニューヨークのオープンと同時に大きな売りが出ました。先週から1190ドル台半ばに大きなストップがあると噂されていたのですが、それをめざして行って、噂どうりにそのストップの売りがあったということのようです。さすがに1190近辺ではアジアからの実需買いが殺到してそこは支えられた模様です。そのきっかけは株式市場の反発。Risk Appetiteが戻ってきて、株式が買われ、ゴールドが売られて、PGMを代表とするその他の産業用メタルはしっかりとなりました。1190ドル台でアジア時間の実需がどう動くか注目です。ただし、売りたくても現物がないという状況なんですが。
▼米欧商品市況/
プラチナ、パラジウム=リスク回避後退で急反発
投資情報会社オーバルネクスト(社長・坂元修二氏)発行のメルマガ『朝らく!最速コモディティ情報』(本日号)に掲載された6日の海外商品市況は次のようになった----。
◎NY貴金属引け速報=金を除き反発、ドル安・株高でリスク許容度高まる
金は急反落。ドル安・株高・原油高で切り返したが、ドル安・株高の加速で安全への逃避買いの解消が優勢になり、高値修正局面の再開で6週間ぶりの安値に値を消した。
銀は反発。金が高値修正局面を再開したことから連休前の安値を下回ったが、ドル安・株高・原油高の加速でリスク許容度が高まったため、一時18ドルを突破した。
プラチナは急反発。リスク回避で1500ドルを下回ったが、ドル安・株高で連休前の高値を抜いた。金の下値追いが圧迫したが、リスク許容度の高まりで切り返した。
パラジウムは急反発。押し目買いが先行したあとも、ドル安・株高で上値を切り上げた。金の高値修正で下押されたが、ドル安・株高の加速で時間外取引の高値を抜いた。
(オーバルネクスト/シカゴ)
情報提供:株式会社オーバルネクスト:http://www.ovalnext.co.jp/
メールマガジン登録:http://www.mag2.com/m/0000049479.html
ニュース・チェック
★東証1+2部時価総額(6日)=291兆0466億円(前日比+3兆3907億円)
★ニュース・ヘッドライン
午前の東京株式市場=株価は、米国株の軟調や円の高止まりで下落した。日経平均 が終値で前日比−82.10円安の9,255.94円、またTOPIXも同−7.08安の840.16、JASADAQ指数は同−0.15安の51.52となった。業種別株価指数の騰落率ランキングでは、東証33業種のうち上昇したのは5業種。石油・石炭製品、鉱業、水産・農林業などが上位を占めた。
午前の東京外為市場=為替相場は小動き。ドル円相場は87円台半ばで推移、ユーロ円は110円台前半で推移している。
★クレディ・スイス証券の白川さん=完全失業率見通しを上方修正、CPI 見通しを下方修正
クレディ・スイス証券チ−フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さんは6日、完全失業率見通しを上方修正し、CPI 見通しを下方修正し、次のようにコメントした----。「雇用環境の改善は当初想定に比べてかなり遅れており、賃金・物価のスパイラル的な下落傾向が長引く可能性が高まっている。こうした中、弊社では、足元4、5月の労働力調査実績、CPI に関するSVAR(構造多変量自己回帰)モデル分析結果等を踏まえて、2011年末にかけての完全失業率とCPIの見通しを修正した。修正後の見通しは、完全失業率について2010年末5.2%、2011年末4.8%(修正前はそれぞれ4.0%、3.7%)、CPI(除く食料・エネルギー)前年比について2010年末−1.5%、2011年末−0.7%(修正前はそれぞれ−1.4%、−0.4%)である。」
★注目企業=IR情報+ニュースリリース
住商情報システム株式会社 (9719)
■新日本空調株式会社の勤怠管理システムとして「SHARE/OTM」が本番稼動
〜 国内外の全職員のすべての業務形態に対応し、業務効率化を実現〜
http://www.scs.co.jp/
ソニー株式会社(6758)
■160GB、320GBの大容量HDDを標準装備した「プレイステーション 3」
(CECH-2500シリーズ)2010年7月29日(木)発売、新色クラシック・ホワイト登場
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/IR/news/100706_ps3.pdf
日本電気株式会社(6701)
■6日、「セグメント変更のお知らせ」を発表いたしました。
http://www.nec.co.jp/ir/ja/index.html
株式会社ディー・エヌ・エー(2434)
■月次推移のご報告(平成22年6月度)
http://www.dena.jp/ir/index.html
株式会社サイバーエージェント(4751)
■「Amebaモバイル」にて携帯ゲーム「わくわくメダル広場」を提供開始
メダルを貯めて、「アメーバピグ」アイテムと交換
■CyberX、アイドル育成ゲーム「ドリームプロデューサー」をモバゲータウンにて提供開始
http://ir.cyberagent.co.jp/

