ユーロの持続性/米雇用統計とドル(7/5)

過去の投資環境は? 相場はどう変化しているのか?今を知り、未来を読むためには過去の情報も随時追いかけることが重要です。今回は7月5日(月)の金融・経済情報をお送りします。

■ユーロの持続性①/
ユーロ内での貿易・経常収支の不均衡は拡大

大和総研・顧問の田谷禎三さんは先に、「単一通貨ユーロは生き延びられるか」とのテーマで見解を示したが、ここでは「そもそもユーロ地域は単一通貨を持つことに適した地域だったのだろうか」という疑問を前提に、「ユーロは最適通貨圏か」についての見方をご紹介する----。

<ユーロ地域=単一通貨を持つことに適した地域だったのか?>

ユーロが導入される前後にも、ユーロが最適通貨圏を構成するかどうかの議論が盛り上がった。

最適通貨圏の議論は60 年代からあるが、ある地域が単一通貨を持つことが望ましいかどうかの議論である。最適通貨圏の基準として、生産要素、特に労働の自由な移動と価格・賃金の伸縮性がある。これまでの経験から言えることは、これらの基準はユーロ地域においてあまり満たされていない、ということだろう。

一部のプロフェッショナルの移動は増えたが、大多数の労働者レベルの移動は限られたものにとどまってきた。また、賃金の伸縮性にも国によって差異が見られた。その結果として、ユーロ内における貿易・経常収支の不均衡は拡大してきた。単位労働コストの動きをみると、そうした不均衡拡大の背景が理解できる。


■米雇用統計とドル/
足踏み状態入り?もう一段のドル安に注意すべきだ

クレディ・スイス証券チ−フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は、6 月の米国雇用統計は民間部門雇用が足元で足踏み状態に入った可能性を示唆している」として、次のように語った----。

雇用者所得は、4-6 月期平均ではそれなりに力強い回復を示したが、7-9 月期には所得の伸びが止まり、個人消費が急減速するリスクが出てきた。1 人当たり賃金が弱含んでいる点も懸念材料である。こうした中、注目は政府の政策対応である。

雇用情勢の改善が思うように進まないことを受けて何らかの追加景気刺激策に踏み込むのかどうかだ。しかし、現状では、追加景気対策の動きは鈍い。財政再建との両立が困難であるからではなく、具体的なアイデアがないからである。このため、FRB に対する緩和圧力が高まる可能性があると読むべきであろう。もう一段のドル安に注意すべきである。


▼今日の株価予想/
日経平均予想レンジ=9150円−9250円小動き

T&Cフィナンシャルリサーチ(代表取締役・吉田恒氏/T&C FINANCIAL RESEARCH, INC.)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した----。

東京市場は小幅な値動きとなりそうだ。前週末の米国市場は下落したものの、雇用統計を好感して買われる場面があり、外部環境は悪化しているとはいいきれないだろう。一方、国内に目を向けても積極的に買われる材料もなく、週初から手控えムードが強まるとみている。為替が87円台後半で推移しており、国際優良株は上値が抑えられる展開が予想される。そのため、値動きのよい低位株や中国人観光客向けのビザ発給緩和などを手がかりに内需関連などに物色の矛先が向かう可能性がある。 

日経平均の予想レンジは9150円−9250円。前週末のCME225先物で上下に振られたが方向感はなく、大証終値と変わらない水準で引けており、東京市場も前日終値を挟んでもみ合いが続くとみている。

2日のNY株式相場は続落。6月雇用統計の結果を好感する場面が見られたものの、3連休を控え手じまい売りに押された。終値はダウ平均が前日比46.05ドル安の9686.48ドルで終了し、3日連続で年初来安値を更新した。6月雇用統計での非農業雇用者数と失業率が予想よりも強かったことを好感し、買いが先行した。ただ、上値は38ドル高程度と限定的。5日は独立気記念日の振り替え休日により株式市場が休場となることから、連休を控え手じまいムードが強かった。売りへ反転後、一時118.21ドル安の9614.32ドルまで下落した。 

NASDAQは前日比9.57ポイント安の2091.79ポイント、S&P500は同4.79ポイント安の1022.58ポイントで終了。ドル建てCME225先物は昨日の大証日中終値に比べ5円安の9205円、円建ては40円高の9170円となった。


話題の銘柄

4716 日本オラクル/クラウド・IFRSの中核、業績は急回復から急成長へ、妥当株価5600円

大和証券CMでは、「10年5月期決算は業績急回復が確認される内容。第4四半期(10年3〜5月)のみで見ると、前年同期比9%増収、13%営業増益と、それまでの減収減益から一転高い伸び率となった。当社では、我が国IT投資が平均5年サイクルにおける拡大期を迎え、この流れが更に加速されると予想する。更に、10年度より、米オラクル本社が買収したサン・マイクロシステムズ社の製品・サービスの多くが、日本オラクル経由で販売されることとなった。当社では会社計画が若干慎重ゆえ、上方修正余地もあると考える」と指摘。今2011年5月期連結営業利益を会社計画414億円(EPS192.0円)に対し430億円(EPS204.6円)、来2012年5月期460億円(EPS212.5円)、2013年5月期510億円(EPS236.1円)と予想。「妥当株価は配当利回り面から5600円と算定され、現在株価4370円は28%の上昇余地がある。加えて当社では、(1)今春よりセクター株価が本格上昇局面を迎えた、(2)同社『エクサデータ』など独自製品がクラウド特需の恩恵を受ける、(3)IFRS特需によりビジネス・アプリケーションが構造的拡大へ、と予想。同社株はこれら『長期・大型』の成長材料から、より高いEPS成長、株価プレミアムが実現する可能性が高いと考える」と指摘。レーティング「1」を継続した。
トレーダーズ・ウエブ:http://www.traders.co.jp/


■ドル安・円高の今後/
昨12月安値よりドル安・円高になる可能性は希薄

ドル円が先週、87 円弱まで下落した。欧州金融への信用不安が後退し、ユーロ買いの一方でドルが売られたこともあるが、その以前にすでに88 円近くまでドル安が進んでいた。大和総研・投資調査部チーフ為替ストラテジストの亀岡裕次さん(Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)は2日、「これは米国経済の減速懸念が強まったことが主因」と見ている。

6 月下旬以降、世界的に株安などリスク回避的な動きが続いてきた。通常こうした局面では、ドルは円に次いで買われやすく、他通貨に対して上昇するためその実効為替レートは上昇しやすい。ところが、ドルの実効為替は伸び悩んだ。


▼FX相場予想/
ドル円の落ち方=何ともドツボにはまっている感じ

AIAの堀内昭利社長(Akitoshi Horiuchi/ President, AIA Business Consulting Ltd.)は2日夜、為替相場について概ね次のようにコメントした----。

木曜の相場が荒れるとフライデーは冴えなくなる確率は高い。そんな気がしていたら本当にそうなった。アメリカ、やっぱり、ちょっとおかしいでしょ?ドル円の落ち方は何ともドツボにはまっている感じ。いかにロングが多いかって事だなあ。ショートがたまっていたらこんな動きはしないよ。たまには戻らんかね?と私ですら思うけどね。(7月2日夜)


▼海外FX相場/
スイスフラン売り介入再開への警戒感が台頭

マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は今朝、FX相場の動向について次のようにコメントした----。

海外FX市場サマリー(今朝)

ユーロドルは3日続伸。欧州中央銀行(ECB)が昨年6月末に実施した1年物の資金供給オペの期日を無事に通過したことや、スペインの国債入札が無難だったことで、欧州の金融機関の資金繰り懸念が後退。前日からのユーロ買い戻しの流れが続いた。市場の一部で、スイス国立銀行(SNB)によるユーロ買い・スイスフラン売り介入再開への警戒感が台頭していることもあって、ユーロスイスフランが一時1.3434スイスフランまで上昇した影響も受けた。6月の米雇用統計発表後に米長期金利が低下し、全般的にドル売りが進むと一時5月21日以来の高値となる1.2613ドルまで値を上げた。

ただ、買い一巡後は伸び悩む展開に。米国株価が下落したことや原油安を背景に、豪ドルなど資源国通貨に対して米ドル買いが進んだ流れに沿った。一時1.25ドル台前半まで下押しした。

ドル円は4営業日ぶりに反発。欧州市場では、6月米雇用統計を前にした持ち高調整の売りが散発的に出たため、じり安の展開が続いた。ニューヨーク市場に入ると、6月米雇用統計で、非農業部門雇用者数や失業率は予想より強い内容だった一方で、民間部門の雇用情勢が予想ほど改善しなかったことが明らかになった。強弱入り混じる内容だったため、売買が交錯した。一時88.20円とアジア時間に付けた日通し高値 88.22円に接近した後、一転87.33円の本日安値まで売られた。ただ、その後は値動きが鈍った。米国市場は来週5日の独立記念日の振替休日にかけて 3連休となることから、積極的な売買が手控えられ87円台後半での狭いレンジでの取引に終始した。

ユーロ円は3日続伸。対ドルやスイスフランでユーロ買いが進んだ影響で、一時110.72円まで値を上げたものの、買い一巡後はやや上値が重かった。米国株価の下落に伴う円買い・ユーロ売りが入ったほか、原油先物価格の下落を受け資源国のクロス円が下落したことも相場の重しとなった。


▼今週の長期金利/
5週ぶりに下げ止まり反発する、と予想する

三菱UFJモルガン・スタンレー証券・デットリサーチ部チ−フ債券ストラテジストの石井純さん(Jun Ishii/ Chief Fixed Income Strategist, Mitsubishi UFJ Morgan Stanley Securities Co.,Ltd.)は今朝、長期金利(債券相場)見通しについて、概ね次のようにコメントした----。

<予想レンジ>

・長期金利(#308) 1.080%〜1.140%

・債券先物(6月限) 141.20円〜141.75円

<シナリオ>

長期金利は、5週ぶりに下げ止まり、反発する。米雇用統計を受けた米債続落、10・30年年利付国債入札での需要動向を巡る不透明感、「7.11参院選」を意識しての様子見ムードなどが背景。特に、当該入札の落札結果でテールが流れるなど相場の高値警戒感を喚起する内容になると、金利上昇余地が生じる。

ポイントは、①「峠」に差し掛かる"分水嶺:1.20%台割れ"の滞空時間、②長期金利が5週ぶりに下げ止まる3つの原因、③一段の米債高あるいは株安がカギを握る"1.0%台割れ"のがい然性。


▼NY金相場/
押し目買いは旺盛確認=まだまだ強いのでは?

スタンダード・バンク東京支店(コモディティ・トレーディング)支店代表・副支店長の池水雄一さん(Yuichi Ikemizu/ Head of Commodity Trading, Japan, Standard Bank Plc)は、NY貴金属相場(Overnight Ranges)について、概ね次のようにコメントした----。

Gold&Silver

木曜日ニューヨークの1200ドル割れまでのゴールド急落を受けて注目のアジア市場でしたが、やはり予想通りというか、予想以上の非常に大きな買いが入ってきました。朝から現物の引き合いが相次ぎ、我々の持っていた在庫も午前中ですべ

て売り切れ。東南アジアはもちろん、なんと売り方一方であった日本からも買いが見られました。何年ぶりだろう。朝一1198ドルであったゴールドは、東京オープン前には1203ドルまで上昇、アジア時間の終わりには1210ドルまで上昇。この買いはロンドン時間まで続きました。やはりDip待ちしていた実需家、投資家は相当いたようですね。


▼米欧商品市況/
シカゴ大豆=総じて続伸、NY粗糖=期近続伸

投資情報会社オーバルネクスト(社長・坂元修二氏)発行のメルマガ『朝らく!最速コモディティ情報』(本日号)に掲載された2日の海外商品市況は次のようになった----。

◎シカゴ穀物引け速報=大豆は総じて続伸、コーンは総じて反落

大豆は総じて続伸。11月限は堅調。売りが先行したが、ドル安・株高でプラスサイドに浮上した。コーンとのスプレッド売りが一巡し、3連休を控えた買い戻しが入ったが、生育に適した天気が予報されることやブル・スプレッドで上値は伸びなかった。
コーンは総じて反落。12月限は変わらず。連日の急伸に対する売りが先行したあと、強気の作付面積・期末在庫報告やドル安・株高でプラスに浮上し、前日の高値を抜いたが、生育に適した天気が予報されることや3連休を控えることから「往って来い」となった。米雇用統計は影響なし。

◎NYソフト引け速報=粗糖は期近が続伸、ドル下落やインド減産の可能性などで

粗糖は期近が続伸。10月限は高値調整となっていたものの、売り一巡後は、ドル下落やインドの生産減少の可能性などを背景に、急速に切り返した。
アラビカ・コーヒーは期近が急反落。9月限は、ロンドン安に追随するなか、3連休前のポジション調整絡みの動きに押された。
(オーバルネクスト/シカゴ)

情報提供:株式会社オーバルネクスト:http://www.ovalnext.co.jp/

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ニュース・チェック

★東証1+2部時価総額(2日)=285兆5086億円(前日比+1兆0714億円)

★ニュース・ヘッドライン

午前の東京株式市場=株価は、米雇用統計通過や円高一服で小幅反発。日経平均 が終値で前日比+34.30円高の9,238.01円、またTOPIXも同+5.16高の836.14、JASADAQ指数は同+0.14高の51.09となった。業種別株価指数の騰落率ランキングでは、東証33業種のうち上昇したのは29業種。その他金融業、繊維業、情報・通信行などが上位を占めた。

午前の東京外為市場=為替相場は円がやや弱含み。ドル円相場は87円台後半で推移、ユーロ円は110円台前半で推移している。

★注目企業=IR情報+ニュースリリース

ハートフォード生命保険株式会社

■米国ハートフォードは、 6月30日(現地時間)、役員人事について発表いたしました。
http://www.hartfordlife.co.jp/index.html

カブドットコム証券株式会社(8703)

■私設市場(kabu.comPTS)の日本証券クリアリング機構(JSCC)に関する変更認可の取得
■平成22年6月 委託手数料及び業務計数の開示(速報値)
http://kabu.com

株式会社マーベラスエンターテイメント(7844)

■平成22年6月23日(水)に開催しました経営近況報告会の模様をご覧いただけます。
http://www.mmv.co.jp/company/index.html

株式会社サイバーエージェント(4751)

■サイバーエージェント・インベストメント:中国SNS向けアプリケーション開発会社のFiveMinutes, Incへ出資
http://ir.cyberagent.co.jp/