過去の投資環境は? 相場はどう変化しているのか?今を知り、未来を読むためには過去の情報も随時追いかけることが重要です。今回は3月3日(水)の金融・経済情報をお送りします。
■東アジア通貨の行方/
通貨切上げ⇒世界経済の重心の東アジアシフト鮮明化
大和総研・特別理事の田谷禎三さんは昨日、国際収支不均衡是正と東アジア通貨に関連して、「今後の世界的な不均衡是正の構図は、中国対欧米というより、東アジア対欧米になり、今後、人民元同様、東アジア各国通貨に対する切り上げ圧力が増す可能性がある」との見通しをご紹介した。本日はその詳細であり、通貨切り上げが実現した場合のインパクトについてご紹介する----。
<中銀B/S拡大=ほぼ例外なく自国通貨売り・外貨買い介入の結果>
東アジア各国の中央銀行のバランス・シート(B/S)をみると、その大きさに驚かされる。中銀B/S の拡大は、ほぼ例外なく、為替市場における自国通貨売り・外貨買い介入の結果である(香港は制度が異なる※)。韓国、フィリピン、インドネシアなどの中銀B/S が小さいようにみえるが、これでもかなり大きい。現在、日本、ECB、英中銀、米連銀など多くの先進諸国中銀のB/S は、金融危機対応で第二次世界大戦時に匹敵するほど拡大している。中でもスイス中銀B/S が大きくなっているが、これは、他の先進国中銀と異なり、東アジア中銀と同様に、自国通貨為替レートの安定化を図るために為替市場に継続的に介入していることによる。
■世界景気の牽引役/
中国単発エンジンに頼る世界回復が孕む「潜在リスク」
東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満さん(Mitsuru Saito/Chief Economist, Tokai Tokyo Securities Co.,Ltd.)は、世界経済を引っ張っているのは中国単発エンジンの感が強い。その政策パワーに今後も期待が寄せられる反面、中国がバブル崩壊など政策に行き詰まると、それだけ世界経済にも不安が広がる面もある。
<日米景気とも、自律的なパワーは弱い>
数字の上では日米も健闘している。昨年第4 四半期のGDP成長率は、米国が年率5.9%、日本も同4.7%と、久々に高い成長を実現、世界経済の回復に貢献しているように見える。しかし、その中身をみると、日米ともに偏りがあり、直接間接中国の拡大に後押しされた面が否めない。例えば、米国の5.9%成長のうち過半は在庫による成長押上げで、これを除いた最終需要は年率1.9%に過ぎない。
また日本も成長の約半分が輸出によるもので、その輸出に触発された設備投資をあわせると、成長の過半を占める形となっている。その輸出は中国を中心としたアジア向けがリードしている。実際、今年1 月の中国の輸入は前年比80%を超える大幅増となり、これを受けて日本の中国向け輸出も前年比80%増、アジア向け全体でも前年比68%増と大幅な増加を見せている。現在、アジア向けが輸出全体の半分以上を占めている。結局、米国はこれまでの調整一巡効果に支えられた回復の形で、自律的なパワーは弱く、日本は中国を核とした輸出に支えられた面が強い。
▼1月雇用・消費統計/
雇用過剰感は依然高く、有効求人倍率は極めて低い
クレディ・スイス証券チ−フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は2日、
雇用は前月比増加、消費はマイナスに転じた
【1】 1月の労働力調査によれば、就業者数は前月比で54 万人と急増(1973 年10 月以来最大の伸び)。また、雇用者数(季節調整値)も強い回復を示した(12 月:10 万人増→1 月:37 万人増)。しかし、今月から季節指数が改定されていることもあり、一部は統計的な誤差の影響があるかもしれない(弊社が独自に季節調整を行ったところ、就業者数は前月比+25 万人、雇用者数は同+23 万人とマイルドだった)。就業者の変化を業種別に見ると(季調済み前月比)、製造業(前月比横ばい)や建設業(同1 万人増)、情報通信業(同4 万人減)、金融保険(同4 万人減)ではほとんど回復が見られない一方で、卸小売業(同31 万人増)、医療福祉(同23 万人増)、その他サービス業(同14 万人増)の回復がヘッドライン改善に寄与した。鉱工業生産から雇用回復への波及は弱い一方で、政策に支えられた消費サービス部門と高齢化による潜在需要の大きい医療福祉部門への労働力の移動が進み始めた様子が窺える。
▼1月雇用・消費統計/
耐久財消費=政策効果の反動減には注意を要す
大和総研・経済金融調査部(神尾篤史さん+熊谷亮丸シニアエコノミスト/Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)は2日、発表された1月の雇用・消費統計について、「総じて上振れだが、本格的な回復には時間がかかる」として、次のようにコメントした----。
【1】 1月の完全失業率は4.9%と、前月から0.3%pt の大幅改善となった。また、有効求人倍率も0.46 倍と前月よりも0.03pt 改善した。
【2】 完全失業率は前月比で大幅に改善し、内容的にもポジティブ。失業率の内訳をみると、失業者数が2ヶ月連続の減少(前月差▲16 万人)となった。求職理由別では、非自発的な失業者数が前月から▲9 万人減少した。一方、景況感の改善を受けて非労働力人口は大幅に減少(前月差▲48 万人)した。これは、失業率の大幅な上昇要因となったが、それを上回る就業者の増加(前月差+54 万人)によって失業率は低下した。非労働力人口が労働市場に再び参入し、職に就ければ、失業率の低下要因となるが、失業者となれば失業率の上昇要因となるため、今後は非労働力人口の動向に留意する必要がある。
▼今日の株価予想/
「下げ三法」否定できる?予想レンジ10350円−10200円
T&Cフィナンシャルリサーチ(代表取締役・吉田恒氏/T&C FINANCIAL RESEARCH, INC.)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した----。
東京市場は続伸へ。日経平均はCME225先物(円建て、10240円)を反映し、ほぼ横ばいスタートか。伸び悩む米主要株価指数に対する短期的な高値警戒感もあり、全般買い優勢のスタートにはなりそうにない。ただ、深刻になるほどの円高進行ではなく、グローベックスの米株価指数先物も底堅い動き。相変わらず上値の重い雰囲気はあるが、TOPIXは既に直前の大陰線を上にブレークしており、日経平均も10350円処トライの動きなどが想定される。25日ザラ場高値10267円を上回り「下げ三法」を否定できるかに注目。
25日移動平均線(1日現在、10208円)の下げも緩やかになり徐々に上値は軽くなってくる雰囲気も。今週中に10400円処のネックラインをトライする公算は高い。メガバンクや非鉄や鉄鋼などの出遅れ感のあるセクターが比較的手掛けやすい。大型株は出来高面の低迷や米国市場同様に手掛けづらいが、全般強い基調が続くなかで大型株でも配当利回りの高い銘柄をまずは拾っておきたいところ。
2日のダウ平均は2.19ドル高と3日続伸。NASDAQは7.22ポイント高、S&P500は2.60ポイント上昇した。肥料メーカーのCFインダストリーズが同業テラへ新たな買収を提案したことを受けて、連日のM&Aニュースに買い意欲が高まった。財政問題に揺れるギリシャが3日に新たな赤字削減措置の計画を発表するとの内容も支えとなったが、大型株への買い意欲は限定的で終盤にかけて売りに押される展開へ。一目均衡表では雲に上値を抑えられた格好となった。
話題の銘柄
8306 三菱UFJフィナンシャル/利益達成率は順調、増資リスク当面低い?目標株価530円
JPモルガンでは、「春は銀行株が上昇しやすい歴史があり、今回も可能性があると考える。業績悪化リスクのうち、特にクレジットコストが目先低下し、市場心理が好転する可能性があろう。増資など、イベント・リスクも小康状態が続くと考える」と指摘。銀行セクタースタンスを「やや弱気」から「やや強気」に引き上げ、個別では、メガバンク3行、住友信託と中央三井の投資判断を「Neutral」から「Overweight」へ引き上げた。三菱UFJフィナンシャルグループについては、「09年12月期までの連結当期利益2171億円、前年同期421億円の赤字から回復。10年3月期期初会社予想3000億円比で72.4%と、ほぼ順調。一方、不良債権処理額は連結で6277億円、同44.8%増。ユニオンバンクの資産劣化が落ち着いたが、アコムやニコスは高水準が続いているようだ。しかし、単体ベース3137億円、同7.6%増。通期会社予想4400億円比で同71.3%と想定内といえよう。今回の業績予想前提の見直しにともない、当社予想を修正する」、「過去1年半で2回の普通株増資を実施し、約1兆4300億円の資本を調達している。自己資本比率は従来から他行比で高く、増資リスクも他行に比べ当面低いと考える」と指摘。今2010年3月期連結当期純利益を3000億円(EPS21円)と予想し、来2011年3月期連結営業利益を従来予想4100億円(EPS29円)から4500億円(EPS32円)へ、2012年3月期同4800億円(EPS34円)から5200億円(EPS37円)へ増額。投資判断を「Neutral」から「Overweight」へ、目標株価を従来の480円から530円へ、それぞれ引き上げている。
トレーダーズ・ウエブ:http://www.traders.co.jp/
▼海外ドル円相場/
下げ足を速め2.4の安値88.55円に面合わせ
マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は今朝、FX相場の動向について次のようにコメントした----。
海外FX市場サマリー(今朝)
ユーロドルは反発。欧州の取引時間帯に、一時昨年5月18日以来の安値となる1.3433ドルまで売り込まれた反動で、ショートカバーが強まった流れを引き継いで始まった。ギリシャが3日に新たな緊縮政策を発表するとの報道を手掛かりにユーロの買い戻しが広がると、アジア時間の高値1.3577ドルを上抜けて一時1.3622ドルまで上値を伸ばした。金や原油などコモディティ価格の上昇もユーロ買いを誘ったほか、ユーロスイスフランがスイス国立銀行(SNB)のスイスフラン売り介入と見られる動きで値を上げたことも支えとなった。もっとも、市場関係者からは「1.36ドル台には断続的に売り注文が観測されている」との指摘があり、一時1.3513−16ドルまで押し戻される場面があった。
ドル円は反落。欧州市場で、国内輸出企業などからの売りに押されて一時88.89円まで売られた反動で、下げ渋る展開が続いていた。一時89.26円前後まで値を戻す場面があった。ただ、ギリシャ支援を巡る楽観的な見方が広がり、ユーロドルが上昇すると徐々に上値を切り下げる展開に。商品相場の上昇を材料に、対資源国通貨でドル売りが進んだ影響もあった。昨日の安値88.70円を下抜けてストップロスを巻き込むと、下げ足を速め2月4日の安値88.55円に面合わせした。
ユーロ円は小反発。欧州市場で一時119.77円まで売り込まれた反動で、ショートカバーが強まった流れを引き継いだ。ギリシャを巡る懸念が和らいだことも買い戻しを促し、一時121.34円まで値を上げた。ただ、中盤以降は上値の重さが目立った。ドル円の下落につれた円買い・ユーロ売りが相場の重しとなったほか、「上値では国内輸出企業などからの売りが厚い」との指摘があり上値を抑えられた。
▼今日の債券相場/
昨日の地合い引き継ぐも、もみ合い強含み程度か
シティグループ証券・投資戦略部、経済・金利戦略グループ、チーフストラテジスト(マネジングディレクター)の佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Citigroup Securities Ltd.)は今朝、債券相場(長期金利)予想について、概ね次のようにコメントした----。
本日の想定レンジとコメント
1.4%クーポンとなった新発10年306回債への需要はそれなりに強かった。その落札結果やセカンダリーの動きを受けて、昨日、後場の相場は強含んだ。週初指摘のように、相場の牽引役は買戻しが一巡した先物から現物に移行せざるを得ない。週初は期待はずれに終わった。しかし、昨日は再び期待を抱かせた。
それでも、目先、超長期ゾーンの入札が続き、依然、慎重な参加者は少なくなく、「好需給、3 月は強気相場」と言えるには遠い。本日の相場は昨日の地合いを引き継ぎつつも、もみ合い強含み程度と予想する。現状、外部環境の手掛かり材料はないに等しい。イールド・カーブはスティープ気味と見込む。
▼3月債券推奨オペ/
ターゲット=1.20%割れから1.250%以下に切り上げ
シティグループ証券・投資戦略部、経済・金利戦略グループ、チーフストラテジスト(マネジングディレクター)の佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Citigroup Securities Ltd.)は、3月の推奨オペレーションについて次のように語った----。
ディレクションは、10 年305 回債利回りの1.30%台ロングを利喰いたいものの、ターゲットは1.20%割れから1.250%以下に切り上げる。1.10%台をあきらめたわけではない。しかし、ポジションを引っ張り過ぎたのは事実であり、あまりに効率が悪い。一方、ショートは306 回債の1.20%割れとする。新年度を展望し、いずれこれも入る水準を再考したい。
イールド・カーブに関しては、20-5 年のスプレッド・ショートを継続する。ただし、期限が3 月末までと迫っている。やはりターゲットを変更し、155bp とする。現在の変動幅からすれば、10bp 取れれば上出来だろう。なお、ロスカット(175bp)は不変。
▼NY金相場/
ギリシャ問題との関係が正常化するも上値は重い
スタンダード・バンク東京支店(コモディティ・トレーディング)支店代表・副支店長の池水雄一さん(Yuichi Ikemizu/ Head of Commodity Trading, Japan, Standard Bank Plc)は、NY貴金属相場(Overnight Ranges)について、概ね次のようにコメントした----。
Gold&Silver
昨日のアジアは前日の欧米に続いて今年これまでで一番静かな日でした。ゴールドは1115-1119の4ドルレンジ。しかしロンドンが始まると同時に買いが強くなり、1120ドルを突破、その後も買いが続き、ニューヨークでは1138ドルまで上昇、6週間ぶりの高値になりました。3月に入ってファンドが再び買い姿勢を強めてきたようです。
ギリシャ問題も最初はユーロと金の同調で下げ要因になっていましたが、ようやく本来あるべき姿である経済不安>ゴールドへの強材料として意識されてきたようです。ただしこのレベルでは実需からの売り戻しが出てくると予想されるので、それが頭を抑えることになると思うのでここから一足飛びに大きく上げるのは考えにくいですが。
▼米欧商品市況/
NY貴金=外貨建て金上昇が波及、金・銀とも急反発
投資情報会社オーバルネクスト(社長・坂元修二氏)発行のメルマガ『朝らく!最速コモディティ情報』(本日号)に掲載された2日の海外商品市況は次のようになった----。
◎NY貴金属引け速報=軒並み急伸、外国通貨建て金相場の上昇が波及
ニューヨーク貴金属は、軒並み急伸。ニューヨーク金、銀ともに急反発。
金4月限は、ドル高で売りが優勢になったが、ポンド建てやユーロ建て金相場の上昇で切り返した。原油急伸やドルの反落、株価上昇で1月20日以来の高値に急伸した。
銀5月限は、ドル高で前日の安値を下回ったが、金の急伸に追随して50日移動平均を抜き、1月26日以来初めて17ドルを突破した。原油・銅・株価の上昇も強材料。
プラチナ系貴金属(PGM)は大幅続伸。
プラチナ4月限は、金の上昇で前日の高値を抜いたあと、金の急伸をはやして上昇が加速し、一カ月ぶりの高値に急伸した。原油急伸や、米自動車販売の急回復も強材料。
パラジウム6月限は前半、ドル高に悩まされるなど冴えない値動きとなったが、他の貴金属の上昇が加速したことに追随した。商品全面高や株価上昇、ドル反落も強材料。
(オーバルネクスト/シカゴ)
情報提供:株式会社オーバルネクスト:http://www.ovalnext.co.jp/
メールマガジン登録:http://www.mag2.com/m/0000049479.html
ニュース・チェック
★東証1+2部時価総額(2日)=305兆8634億円(前日比+1兆2414億円)
★ニュース・ヘッドライン
午前の東京株式市場=株価は、NYダウの底堅さや円相場の落ち着きを支えに小幅上昇。日経平均 が終値で前日比+31.99円高の10,253.83円、またTOPIXも同+2.82高の905.53、JASADAQ指数は同−0.01安の50.80となった。業種別株価指数の騰落率ランキングでは、東証33業種のうち上昇したのは18業種。その他製品、鉄鋼、ガラス・土石製品などが上位を占めた。
午前の東京外為市場=為替相場はまちまちで小動き。ドル円相場は88円台後半で推移、ユーロ円は121円を挟む展開で推移している。
★堀内AIA社長のFXコメント=ドル円はそろそろ動きそうだ!
AIAの堀内昭利社長は昨夜、為替相場について概ね次のようにコメントした----。「ドル円はそろそろ動きそうだ。ユーロはいつまでもギリシャでもあるまいと思うのだが。ほとんど言い古された材料ばかりになってきた。新規材料必要」。(3月2日。夜中)
★注目企業=IR情報+ニュースリリース
大和証券グループ本社(8601)
■大和証券グループ 役員人事について
■平成21年10月23日に「インターネット銀行の設立について」で公表いたしましたとおり、銀行設立準備のための子会社「大和ネットバンク設立準備株式会社」を設立することを決定いたしました。
http://www.daiwa-grp.jp/press/index.cfm
カブドットコム証券株式会社(8703)
■平成22年2月 委託手数料及び業務計数の開示(速報値)
http://kabu.com/company/pressrelease/2010/20100302.asp
株式会社マーベラスエンターテイメント(7844)
■2010年3月期 株主優待情報を更新いたしました。
http://www.mmv.co.jp/company/index.html
株式会社サイバーエージェント(4751)
■「アメーバピグ」と「ペプシネックス」がコラボレーション
「アメーバピグ」にて期間限定「ペプシネックス」キャンペーンを展開
http://ir.cyberagent.co.jp/

