製造業、利益改善の兆し/収益の柱となる、産業メカトロニクス(3/5)

過去の投資環境は? 相場はどう変化しているのか?今を知り、未来を読むためには過去の情報も随時追いかけることが重要です。今回は3月5日(金)の金融・経済情報をお送りします。

▼来週の注目点/
1月機械受注=均してみれば緩やかに回復し始めた

クレディ・スイス証券チ−フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は4日、来週の注目材料として、10日(水)に発表予定の1月の機械受注について次のようにコメントした----。

12 月のコア機械受注は前月比20.1%増とコンセンサス予想を大幅に上回り、ポジティブ・サプライズとなった。10-12 月期では前期比0.5%増と7期ぶりの増加である。内閣府の予測調査では同1.0%増加する見通しであったことからすると、ほぼ当初計画どおりということになるのだが、10-11 内閣府の調査によると1-3 月期のコア受注は前期比2.0%増と2 期連続増加する見通しである。月期が失望的なものにとどまっていたため、大幅反発となった。おそらく10-11 月期には株価の急落や円高を背景に一旦様子を見ていた企業が、金融市場が落ち着きを取り戻したことで、同期の計画を満たすために12 月に駆け込んだ可能性もある。


■デフレ対策と日銀/
国債の日銀引き受け=国民負担による政府への徳政令

東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満さん(Mitsuru Saito/Chief Economist, Tokai Tokyo Securities Co.,Ltd.)は3日、菅財務相の1%インフレ目標を、亀井大臣の「日銀に国債を引き受けさせる」形で実現とのシナリオが浮上したとし、「これは国民負担による政府への徳政令だ」と語った----。

財政難の藩主が金の含有量を落とした悪貨を大量に造幣し、藩の収入を増やした結果、悪貨の大量流通で市中はインフレになり、庶民を苦しめた悪大名。日銀を使ったインフレ誘導はこれに等しい。デフレは供給が需要を30 兆円も上回る経済のゆがみと、グローバル化でモノ作りがアジアなどの低価に鞘寄せされる中で生じているのであって、日銀の貨幣供給が少ないためではない。


▼10-12月法人企業統計/
製造業を中心に、マクロの企業収益は改善が続く

大和総研・経済金融調査部(渡辺浩志エコノミスト+笠原滝平さん+熊谷亮丸シニアエコノミスト/Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)は4日、10-12 月期法人企業統計に関するコメントとともに、GDP2次速報を予想した----。

【1】経常利益は引き続き改善

09 年10-12月期の経常利益は前年比+102.2%と10 四半期ぶりに増益に転じた。前年同期はリーマン・ショック後の急落期であり、前年比の大幅プラスには反動の要因もある。しかし、季節調整した利益水準でみてもピーク時(07 年1-3月期)の67%程度まで回復し、前期比は+35.2%と3四半期連続の増加が続いている。売上は、輸出や生産の回復が続くものの、デフレによる下押しもあり、前年比▲3.1%、季調済み前期比+2.9%と改善ペースは緩やかなものとなっている。利益の押し上げには、コスト削減効果が強く寄与している。足下で資源価格が上昇していることから、今後は変動費が収益圧迫要因となる可能性が高いが、輸出・生産の回復傾向は当面続く見通しであり、製造業を中心にマクロの企業収益は改善が続くと見込まれる。


▼10-12月法人企業統計/
経常利益伸び率=3 期連続3 割台だが本格回復はまだ先

クレディ・スイス証券チ−フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は4日、10-12 月期の法人企業統計調査について、次のようにコメントした----。

【1】 10-12 月期の法人企業統計調査では、民間企業設備投資(ソフトウェアを除く)は季節調整済み前期比0.9%減と7 期連続マイナスとなった。マイナス幅は前期(同8.2%減)から大幅に縮小しており、設備投資は下げ止まりつつあることを示しているが、同期のGDP1 次速報値では名目設備投資は前期比年率2.6%増(実質ベースでは同4.0%増)とプラスに転じていただけに、失望感をぬぐえない。前年比では18.5%減と前期(同25.7%減)から大幅にマイナス幅が縮小しているものの、リーマン・ショック後の大幅な減少に対する反動に過ぎない。来週(11 日)公表予定のGDP2 次速報値では、7-9 月期ほどではないが、民間企業設備投資は小幅下方修正される可能性がある。


▼今日の株価予想/
海外市場に神経質、主力株の一角には買い継続

T&Cフィナンシャルリサーチ(代表取締役・吉田恒氏/T&C FINANCIAL RESEARCH, INC.)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した----。

東京市場は反発か。中国全人代開幕や米雇用統計の発表を前に手控えムードは変わらないが、朝方は米株市場の上昇を好感する動きとなろう。グローベックスの米株価指数先物は大きな動きなし、ドル円はやや円高への動きが一服したムードも。日銀による追加緩和の検討などの報道も売りを抑制する要因になりそうだ。

日経平均の予想レンジは10230円−10170円。11月27日安値と2月9日安値を結んで延長した下値支持線が意識されており、昨日下回った5日、25日、75日移動平均線などの節目を早々に回復できるか。一目均衡表では基準線(10165円)は横ばいでリバウンドしやすいが、来週初まで下げる転換線(5日10230円、8日10179円見込み)に上値を抑えられる可能性あり。ただし、アジア市場など外部環境次第で昨日高値10263円を超える展開ともなれば、昨日の下げがダマシに終わる可能性があり、10330円処まで反発する展開なども考えられる。


話題の銘柄

6503 三菱電機/収益の柱・産業メカトロニクス本格回復へ、目標株価800円→1000円

ドイツ証券では、「収益の柱となる産業メカトロニクスが本格回復してきた。もともと粗利率の高い事業であることに加え、景気悪化局面で固定費削減が進められたことから、景気拡大局面では収益性の回復が従来以上に早まるものと思われる。ファクトリーオートメーション(FA)では、液晶パネルメーカーや半導体メーカーの設備投資の増加や、中国でのインフラ投資などが需要回復を牽引している。今後、自動車メーカーやその他の産業の設備投資も緩やかに回復することが期待される。さらに、中国沿岸部などで人手不足や人件費の高騰が問題となってきており、工場の自動化投資が進む可能性がある」、「同社の重電システム事業は、環境・エネルギー関連に注力している。安定的な国内の電力事業に加え、海外の事業機会が増加しており、年率3%〜5%程度の持続的な業績拡大が期待できる」、「パワー半導体事業では、エネルギーの利用効率向上のための需要が増加しており、稼働率は90%と高い水準が続いている。次世代パワー半導体として期待されているSiC(Silicon Carbide)の技術開発で先行するだけでなく、量産化でも業界を先行している。同社の半導体事業の業績拡大の牽引役となるものと予想している」と指摘。今2010年3月期連結営業利益を会社計画600億円(EPS-9.3円)に対し従来予想712億円(EPS-4.2円)から950億円(EPS5.1円)へ、来2011年3月期同1427億円(EPS33.6円)から1802億円(EPS41.6円)へ、2012年3月期同1775億円(EPS44.0円)から2362億円(EPS63.6円)へ増額。レーティングを「Hold」から「Buy」へ、目標株価を従来の800円から1000円へ、それぞれ引き上げた。
トレーダーズ・ウエブ:http://www.traders.co.jp/


■ユーロドル予想/
英米投資家=欧州通貨売りは腰が座っているようだ

AIAの堀内昭利社長(Akitoshi Horiuchi/ President, AIA Business Consulting Ltd.)は昨夜、為替相場について概ね次のようにコメントした----。

NYが市場を牛耳っているね。東京の午前中にも顔出してくるし。しかし、欧州情勢は暗いままだね。英米はユーロ嫌いだからね。いろいろ難癖つけて欧州通貨を売るね。腰は座っているようだ。ユーロの売りを調査するとかいうのは茶番だなあ。そんな話、聞いたことないよ。皆、昔の日本大蔵省にでもなったのかね?(3月4日。夜中)


▼FX相場予想/
ドル円抑える漬物石=最大の問題は米景気が悪い

マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は昨夕から今朝、FX相場の動向について次のようにコメントした----。

海外FX市場サマリー(今朝)

ドル円は3営業日ぶりに反発。一時89.27円まで値を上げた。アジアの取引時間帯に、一時昨年12月10日以来の安値となる88.14円まで売り込まれた反動で、ショートカバーが強まった流れを引き継いで始まった。米労働省が発表した前週分の新規失業保険申請件数が予想より若干強い結果だったと伝わると、米労働市場に対する悲観的な見方が後退しドルの買い戻しが進んだ。市場関係者からは「日本経済新聞が『日銀は4月にかけ追加の金融緩和策の検討に入った』と報じたことも円売り・ドル買いを誘った」との声が聞かれた。アジア時間の高値88.64円、昨日高値89.00円を上抜けるとストップロスを巻き込んで、上昇に弾みが付いた。

もっとも、全米リアルター協会(NAR)が発表した1月の米住宅販売保留指数が予想に反して低下したことを受けて、米住宅市場の底入れ期待が後退すると、やや伸び悩む場面があった。「アジア系ソブリンネームから売りが上値を抑えた」との指摘もあった。

ユーロドルは3日ぶりに反落。一時1.3551ドルまで値を下げた。米雇用指標を手掛かりに、米労働市場に対する悲観的な見方が後退すると全般的にドル買いが強まった流れに沿った。市場関係者からは「トリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁は4日の定例記者会見で、政策金利は現時点で適正であると言明し、早急な利上げの意向がないことを示唆した。欧政策金利は当面低い水準にとどまるとの見方からユーロ売りが出た」との声が聞かれた。その後、米格付け会社ムーディーズがドイツ銀行の格付けを引き下げたと伝わると、ユーロ売りが加速。目先のストップロスを巻き込んで、下げ足を速めた。

ユーロ円は3日ぶりに反落。アジア時間に一時120.29円まで売り込まれた反動で、ショートカバーが進んだ流れを引き継いだ。ドル円への買いが強まったタイミングで、一時121.83円まで値を上げた。ただ、その後はユーロドルの下落につれた円買い・ユーロ売りに押し戻された。ドイツ銀行の格下げを受けて、一時 120円台半ばまで下押しした。


▼今日の債券相場/
12月に続き、弱めの第2の「風」が吹きそう

シティグループ証券・投資戦略部、経済・金利戦略グループ、チーフストラテジスト(マネジングディレクター)の佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Citigroup Securities Ltd.)は今朝、債券相場(長期金利)予想について、概ね次のようにコメントした----。

本日の想定レンジとコメント 

どうやら、昨年12月に続き、第二の「神風」が吹きそうでもある。しかし、第一のそれに比べるとインパクトは弱いだろう。結局、臨時の金融政策決定会合が開かれた12 月1 日は今年度最高の売り場となった。3月の強気相場に期待しつつも、ここは冷静に見守りたい。本日の相場は朝方、特に堅調だろう。先物3月限は残ったショートのカバーが集まると見られる。しかし、その後は伸び悩むと予想する。カーブ変化は中期以降のゾーンでスティープ化と見込む。


▼10年度債券投資/
インカムを確保する「辛抱の年度」と位置づけ

シティグループ証券・投資戦略部、経済・金利戦略グループ、チーフストラテジスト(マネジングディレクター)の佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Citigroup Securities Ltd.)は、2010年度の相場イメージを以下のとおりまとめた----。

今月末までの10 年国債利回りの下限予想は依然、1.150%としている。来年度、1.20%前後で始まれば、まずは投資家の益固めが待っている可能性が高い。その水準なら長期債も売却対象となる上、買い直す水準は見慣れた1.30%台ではなく、1.40%台まで引き付けたいとする向きが多いと考える。しかし、1.50%超えの利回り上昇は避けられる公算が大きい。まず、需給面では、益固めだけでなく、特に銀行勢のインカム取りの平残稼ぎも多いと見込まれる。足元の貸出減少などから、今年度と違って来年度計画では、当初から運用での収益要請が強いと考えられる。そして、一部に懸念する声がある参院選前の景気対策は、たとえ、策定されたとしても大型にはなり難いだろう。昨年10 月から11 月にかけて0.20%少し長期金利が上昇しただけで、現政権は新規国債の発行額を抑えるため、民主党のマニフェストにある暫定税率の廃止を見送っている。加えて、6 月を目処に新たな財政健全化計画を策定する予定である。その時期に大型景気対策というのは道理がとおらない。したがって、5〜6 月に1.40%台乗せを見たとしても、1.50%には届かず、投資家の押し目買いによって利回りは反落に向おう。


▼NY金相場/
ドル高で下落しても、レンジ相場は依然として変わらず

スタンダード・バンク東京支店(コモディティ・トレーディング)支店代表・副支店長の池水雄一さん(Yuichi Ikemizu/ Head of Commodity Trading, Japan, Standard Bank Plc)は、NY金相場(Overnight Ranges)について、概ね次のようにコメントした----。

Gold&Silver

昨日はアジア、欧米を通じて静かでした。昨日書いたとおり140ドルは頭が重く、じわじわと下がる展開でした。ECB総裁のギリシア経済支援策是認のニュースとまずまずの米国経済指標の数字でドルが買われ、ゴールドはそれにともない1130ドル台前半まで下げました。やはりレンジは変わらず、でした。


ニュース・チェック

★東証1+2部時価総額(04日)=304兆0171億円(前日比−2兆6254億円)

★ニュース・ヘッドライン

午前の東京株式市場=株価は、堅調な米国株に加えて円相場の落ち着きで一時10,376円台まで大幅上昇。 日経平均 が終値で前日比+209.91円高の10,355.63円、またTOPIXも同+13.70高の911.34、JASADAQ指数は同+0.58高の51.42となった。業種別株価指数の騰落率ランキングでは、東証33業種のうち全業種が上昇した。不動産業、倉庫・運輸関連業、海運業などが上位を占めた。

午前の東京外為市場=為替相場は総じて円安気味の展開。ドル円相場はやや反発したが89円台前半で推移、ユーロ円も121円台前半で推移している。

★注目企業=IR情報+ニュースリリース

大和証券グループ本社(8601)

■大和証券が電子ペーパーを用いた来店客向けプロモーションを開始
〜第一弾として3 月1 日より本店に設置〜
http://www.daiwa-grp.jp/press/index.cfm

日興アセットマネジメント株式会社

■外国籍ファンドが「リッパー・ファンド・アワード 2010」(英国)にて 「最優秀ファンド」を受賞
〜「株式型 アジアパシフィック 除く日本」 部門にて〜
http://www.nikko-am.co.jp/