米FRB「出口論」/1月貿易統計(2/24)

過去の投資環境は? 相場はどう変化しているのか?今を知り、未来を読むためには過去の情報も随時追いかけることが重要です。今回は2月24日(水)の金融・経済情報をお送りします。


■米FRB「出口論」/
キーワード=FRBが説明に使っている「正常化」

英語の表現に"call a spade a spade"というのがある。東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満さん(Mitsuru Saito/Chief Economist, Tokai Tokyo Securities Co.,Ltd.)は、この「飾らずにありのままに言う」といった表現で先週のFRBによる公定歩合を0.25%引き上げの意味合いを「正常化に向けて舵を切り始めた」と見る――。

<究極の「正常化」は、金利を中立水準に戻すこと>

FRBは先週、公定歩合を0.25%引き上げたが、「引締めのスタートではない」と釈明する。しかし意味のない公定歩合引き上げなら、あえてここで実施する意味もない。ありのままに言えば、「超緩和の修正」が始まったのであり、キーワードはFRBが説明に使っている「正常化」だ。これまでの「異常な緩和」はもはや不要となったので、今後は正常化に向けて舵を切り始めたことになる。


▼1月貿易統計/
 中国向け一般機械、アジア向け電気機器等が高い伸び

大和総研・経済金融調査部シニアエコノミストの熊谷亮丸さん(Mitsumaru Kumagai
/ Senior Economist, Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)は今朝、発表された1月の貿易統計に関して、「輸出は堅調な回復が持続」として、次のようにコメントした――。

【1】堅調に推移

1月の貿易収支は+852億円と市場コンセンサス(▲1639億円)を上回り、12ヶ月連続の黒字となった。輸出金額は前年比+40.9%とコンセンサス(同+39.5%)を上回り、2ヶ月連続のプラスであった。輸入金額は同+8.6%とコンセンサス(同+12.1%)を下回ったものの、15ヶ月ぶりにプラスに転じた。前年1、2月が輸出の最悪期であるため、前年比では大幅なプラスとなっており、当月から横這いで推移しても2月の前年比も+40%を上回る見込み。なお、昨年は1月だった春節が今年は2月であることも、当月の前年比伸び率の押し上げに寄与しているとみられる。 こうした押し上げ要因はあるものの、これらを+調整した季節調整済み前月比についても+8.6%(←前月は同+4.5%)と前月から加速しており、堅調な回復が続いているといえる。


▼今日の株価予想/
 日経平均の予想レンジは10280円-10160円

T&Cフィナンシャルリサーチ(代表取締役・吉田恒氏/T&C FINANCIAL RESEARCH,
INC.)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した――。

東京市場は売りに押される展開か。米株主要指数の下落を受けて朝方から軟調な動きが予想される。商い低調が続く中、低位材料株への物色傾向が続くと見られる。外部環境によっては先物主導で下げ幅を広げる場面もあろうが、業績改善期待から主力株の一角への押し目買い意欲は強く、配当利回りなどの投資尺度も下支え要因に。日経平均の予想レンジは10280円-10160円。

昨晩、米国市場に上場するトヨタのADRは国内終値に比べ95円安の3230円(1ドル90.30円換算)となった。朝方からサヤ寄せの動きが予想されるが、直近安値3195円を前に反発できるかどうか。トヨタを巡る今後動向や株価の動向などは輸出関連全体にとってのポイントになろう。

23日のダウ平均は100ドル安と続落。NASDAQは28.59ポイント安、S&P500は13.41ポイント下落した。序盤のダウ平均はホームデポの11-1月期決算や増配の発表を好感して上昇する場面が見られたが、2月の消費者信頼感指数が予想を下回ったことをきっかけに売りが優勢に。25日移動平均線あたりまで下げ幅を広げた。業種では金融や素材、エネルギーなどが特に下落。ドル建てCME225先物は昨日の大証日中終値に比べ135円安の10215円、円建ては145円安の10205円となった。

話題の銘柄

5802 住友電気工業/超電導技術でエネルギー革命担う最重要会社、目標株価1650円

クレディ・スイスでは、超電導技術により世界のエネルギー革命を担う最重要会社として、同社を引き続き2010年代のトップピックとした。同社への投資については、(1)既存事業の好調による従来延長線上の緩やかな株価上昇、(2)超電導など新規製品の受注開始による勢いのある株価上昇、――という2段構えで臨む必要があると指摘。短期的な株価材料として、3、4月に見込まれる09年度の業績上方修正と、4月に予定されるNEDOのスマートグリッド実証実験における実施企業採択を、長期的な材料として、10、11年に見込まれる超電導関連製品の受注発表を挙げた。これらを踏まえて今後の業績を見直し。営業利益ベースで、今10.3期を、会社予想330億円(EPS 16.4円)に対し、370億円→430億円(EPS 29.0円)と予想し、来11.3期を970億円→1020億円(EPS 92.0円)、12.3期を1150億円→1300億円(EPS 117.2円)と上方修正し、投資評価「OUTPERFORM」を再強調、目標株価を1550円→1650円(来期PER18倍)と引き上げた。なお、長期的には、超電導など業績を一変させる可能性を持つ製品も保有しており、バリュエーションの切り上がりも期待されると言及した。

トレーダーズ・ウエブ: http://www.traders.co.jp/


■米公定歩合引上げとドル円/ 
利上げ初期=ドルは下落しやすいとの見方は不変

クレディ・スイス証券、経済調査部ストラテジストの小笠原悟さん(SatoruOgasawara/Strategist, Credit Suisse Securities Ltd.)は23日、先週金曜日のFRBの公定歩合引き上げは金融政策正常化に向けた第一歩であり、金融引き締めへの転換を示すものではないとしながらも、「そのシグナリング効果は大きく、当社が予想するように年内の利上げを市場が織り込み始めれば、ドル/円は一時的に95円台程度まで上伸する可能性がある」と語った。ただ小笠原さんは、ドル/円については米国のイールドカーブのスティープ化がドル/円の上値抑制要因となりうるとし、「利上げ初期の段階ではドルは下落しやすいという見方に変わりはなく、戦略的なドル/円買いという位置づけである」とした――。


▼FX相場予想/ 
太平洋通貨=馬鹿な戻りをやり過ぎた"咎め"

AIAの堀内昭利社長(Akitoshi Horiuchi/ President, AIA Business ConsultingLtd.)は昨夜、為替相場について概ね次のようにコメントした――。

株式がぎくしゃくしているね。ユーロ城が再び炎上。太平洋は馬鹿な戻りをやり過ぎた咎め。いつも上げも下げも行きすぎるんだよ。今年のドル円は、見方が真っ二つだね。
100-105円というのと、80円割れ方向と。次第に米国債買っているのは日本人だけになったりして?中国の外貨準備を冷笑していたが、なんだか我が日本も似てきたなあ。(2月23日。夜中)


▼FX相場予想/ 
新しい材料がない限り、大相場にはならない

マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/President CEO, Matt Capital Management)は昨夕から今朝、FX相場の動向について次のようにコメントした――。海外FX市場サマリー(今朝)ドル円は3日続落。欧州の取引時間帯に、2月独Ifo企業景況感指数が予想より弱い内容となったことを材料にユーロ円が下落したほか、キング英中銀(BOE)総裁など英金融当局者からハト派的な発言が相次いだことを手掛かりにポンド円が急落。これにつれる格好で、円高・ドル安が強まった流れを引き継いだ。

ニューヨーク市場では、12月S&Pケース・シラー住宅価格指数発表後に全般的にドル買いが入ったため下げ渋る場面があったが、買い戻し一巡後は再び売りに押される展開に。米大手民間調査機関のコンファレンス・ボードが発表した2月の米消費者信頼感指数が46.0と予想の55.0程度を大幅に下回ったことを受けて、NYダウが100ドル超下落すると、90円台半ばに観測されていたストップロス注文を巻き込み下げ足を速めた。米2年債入札後に米長期金利が一段と低下したことも相場の重しとなり、一時89.92円まで値を下げた。

ユーロドルは続落。一時1.3496ドルまで値を下げた。予想を下回る2月独Ifo企業景況感指数を嫌気したユーロ売りが出たほか、英金融当局者からハト派的な発言が相次いだことを手掛かりにポンドドルが大幅に下落した影響を受けた。格付け会社フィッチがギリシャの大手銀行4行の格付けを引き下げたことも相場の重しとなり、1.35ドル台半ばに観測されていたストップロスを巻き込むと下げ足を速めた。2月米消費者信頼感指数が予想より弱い内容となったことを受けて、株価やコモディティ価格が下落したこともユーロ売り・ドル買いを誘った。

ユーロ円は大幅に続落。一時121.57円まで売り込まれた。欧米株価の下落を背景に投資家のリスク志向が低下するとの見方から円買い・ユーロ売りが広がったほか、独景気指標が予想より弱い内容となったことを嫌気した売りが続いた。米長期金利の低下を材料に、対ドルで円買いが強まった影響もあった。


▼今日の債券相場/
3月強気相場に期待=本日は気配を確認したい

シティグループ証券・投資戦略部、経済・金利戦略グループ、チーフストラテジスト(マネジングディレクター)の佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist,Citigroup Securities Ltd.)は今朝、債券相場(長期金利)予想について、概ね次のようにコメントした――。

本日の想定レンジとコメント 

昨日の相場は小じっかり、イールド・カーブはフラット化。20 年債入札の結果もまずまずだった。したがって、本日は外部環境、地合いともに良好であり、堅調相場が見込まれる。この延長線上に10 年国債利回りの1.30%割れ、さらには1.10%台があるとの確信までは抱けないものの、我々はそういった3 月の強気相場に期待している。本日は気配が感じられるかどうかを確認したい。カーブは先物の買戻しが先行すると予想される分、7 年以降のゾーンでフラット化とはいかないだろう。ただ、超長期ゾーンは比較的しっかりと見る。


▼日米長期金利の乖離/
FRBの公定歩合引き上げでも、「乖離」は維持

シティグループ証券・投資戦略部、経済・金利戦略グループ、チーフストラテジスト(マネジングディレクター)の佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist,Citigroup Securities Ltd.)は、「日米長期金利の乖離」について、1月20日付けの本レポートでは、日米長期金利の乖離が目立ってきたことに関してコメントしたが、今回、これをアップデートした――。

最新のデータで確認してみても、日米長期金利の乖離は保たれている(図表1)。先週18 日、FRB は公定歩合を0.50%から0.75%に引き上げることを決定した(貸出の最大期間は28 日間からO/N に短縮された)。これを受けて、F.F.O/N ターゲットの引き上げ時期も早まると見る市場関係者は少なくなかった。しかし、結局は国債やMBS の買入れ停止などと同様、緊急措置の「出口」に過ぎず、政策金利の引き上げにはやはり時間がかかるという見方が大勢になった。また、仮に政策金利の引き上げが予想より早まった場合でも、期待インフレ率の低下などを通じ、長期金利はかえって安定するとも考えられる。実際、市場のそれ(10 年国債利回り-TIPS 利回り)は足元、低下している。


▼NY金相場/ 
旧正月前の活発な買い、1100ドル以下であるか注目

スタンダード・バンク東京支店(コモディティ・トレーディング)支店代表・副支店長の池水雄一さん(Yuichi Ikemizu/ Head of Commodity Trading, Japan, StandardBank Plc)は、NY金相場(Overnight Ranges)について、概ね次のようにコメントした――。

昨日のアジアは1114-1119の比較的静かな狭いレンジでした。ロンドンが始まると同時に1121ドルまで上昇、それが一日を通しての高値でした。その後、ドイツの企業景況感指数が市場予想を下回ったためユーロが1.37ドル近くから1.35ドルまで売り込まれ、それに呼応する形でゴールドも1120ドルから1108ドルまで下落。その後のニューヨークもユーロ安、ゴールド安が続き、1100ドルまで下げて、引けは1103ドル近辺でした。


▼米欧商品市況/
総じて下落の下、辛うじてNYアラビカは反発

投資情報会社オーバルネクスト(社長・坂元修二氏)発行のメルマガ『朝らく!最速コモディティ情報』(本日号)に掲載された23日の海外商品市況は次のようになった――。

◎NY貴金属引け速報=軒並み急落、指標悪化でリスク回避の流れが強まる

ニューヨーク貴金属は、軒並み急落。ニューヨーク金は続落、銀は大幅続落。金4月限は、ドル安で上昇したが、独業況指数や米消費者信頼感指数の低下でリスク回避の流れが強まり、ドル高や株価・原油の急落が圧迫して1100ドルを下回った。銀3月限は、ドル安や金の上昇で値を飛ばしたが、独業況指数の低下でドルが反発、米消費者信頼感指数の低下でリスク回避の流れが強まり、節目の16ドルを下回った。プラチナ系貴金属(PGM)は軒並み急落。プラチナ4月限は大幅続落。ドル安や金の上昇で値を飛ばしたが、独業況指数の低下や米消費者信頼感指数の落ち込みでリスク回避が広がり、前日の安値を割り込んだ。パラジウム3月限は大幅続落。ドル安や他の貴金属の上昇で先週の高値を抜いたが、ドル高・原油安の加速や株価急落、他の貴金属の急落が圧迫して急速に値を消した。

◎NYソフト=粗糖は期近が続落、アラビカコーヒーは反発

ニューヨーク粗糖は期近が続落。5月限は、急落した前日の流れを引き継ぎ、一段のポジション調整が進むこととなり、一時、昨年12月15日以来の水準へと値を沈めた。ニューヨーク・アラビカは反発。5月限は、ドル上昇や他商品安、テクニカル面の弱さなどに圧迫されたが、前日付けた10日以来の安値を割り込むまでには至らず、ニューヨーク入り後は安値調整となった。 (オーバルネクスト/シカゴ)

情報提供:株式会社オーバルネクスト: http://www.ovalnext.co.jp/

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ニュース・チェック

★東証1+2部時価総額(23日)=307兆0831億円(前日比-7645億円)

★ニュース・ヘッドライン

午前の東京株式市場=株価は業種ベースでは全面安。米国経済指標の悪化と、それに伴う円高急伸で一時200円を超す大幅下落となった。日経平均 が終値で前日比-188.82円安の10,163.28円、またTOPIXも同-14.50安の892.87、JASADAQ指数は同-0.07安の50.19となった。業種別株価指数の騰落率ランキングでは、東証33業種の全業種が下落した。午前の東京外為市場=為替相場は円がほぼ全面高の展開となった。ドル円相場は90円台前半で推移、ユーロ円は122円台前半で推移している。

★注目企業=IR情報+ニュースリリース

日興アセットマネジメント株式会社

■欧州子会社が世界銀行債券に投資するグリーンファンドを新規設定~世界債券市場を活用し、気候変動問題に取り組むプロジェクトへの資金提供を実現する世界銀行と協同開発ファンド~
http://www.nikko-am.co.jp/

住商情報システム株式会社 (9719)

■高精度帯域制御装置「PureFlow GS1シリーズ」の販売について、日立情報システムズと代理店契約を締結
http://www.scs.co.jp/