過去の投資環境は? 相場はどう変化しているのか?今を知り、未来を読むためには過去の情報も随時追いかけることが重要です。今回は12月1日(火)の金融・経済情報をお送りします。
■円高+株安対策/
目先は中期ゾーンが相対的に好パフォーマンス
シティグループ証券・投資戦略部、経済・金利戦略グループ、チーフストラテジスト(マネジングディレクター)の佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Citigroup Securities Ltd.)は、政府が検討を始めた円高株安の政府対応のインプリケーション(含意)について、次のような見方を示した----。
<首相・日銀総裁会談=市場は追加金融緩和の可能性を以前より高く見積もる>
「政府は2009 年度第2 次補正予算に盛り込む追加経済対策の大枠を固めた。規模は当初、想定していた2 兆7,000 億円から拡大し、(中略)事業規模は10 兆円を超す見通しだ。(日経)」 また、日銀の白川総裁は名古屋での懇談会の挨拶に際し、「政府は、先日、『持続的な物価下落という意味において緩やかなデフレ状況にある』との見解を示しましたが、10 月末に示した日本銀行の物価に関する判断は、こうした政府の見解と同じ認識に立つものです」(日銀)と述べ、政府と歩調を合わせた。
さらに、「日本銀行は、こうした考え方に立って、金融緩和と金融市場の安定確保の両面で、デフレ克服のために最大限の努力を行っていく方針です」(日銀)とも述べた。そして、明日、鳩山首相が白川総裁と会談、首相は日銀にも景気対策の協力を求める見込みである。市場は追加金融緩和の可能性を以前より高く見積もるだろう。
▼10月鉱工業生産/
生産は回復傾向続くがモメンタムにピークアウトの兆し
クレディ・スイス証券チ−フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は30日、10月の鉱工業生産は季節調整済み前月比0.5%増と市場の事前予想(同2.5%増)を下回ったとして、「同月の通関統計では、輸出が好調さを維持していただけに、やや失望的な結果である」と語った----。
もっとも予測調査によると主要製造業者の生産計画は、11 月に同3.3%増、12 月に同1.0%増と引き続き増産が見込まれ、生産は回復傾向を辿っていることが確認された。調査どおりであれば、10-12 月期通期の生産は前期比5.0%増と3 期連続プラスとなる見通しである。他方、生産回復のモメンタムはピークアウトし始めた兆候も散見される。生産計画に対する実現率が2ヶ月連続マイナスとなった。また、11 月の生産は若干0.1%ポイント上方修正されているが、今回の生産回復局面では9 月調査(-1.5%ポイント)を除き、最も小幅上方修正であった。
■今週の株式相場/
「円高・株価対策」横目に、小幅ながら6週振り反発へ
みずほ証券・商品企画グループ投資情報部エクイティストラテジストの瀬川剛さん(Tsuyoshi Segawa / Equity Strategist, Shinko Securities Co., Ltd.)は30日、今週の株式相場について次のようにコメントした----。
<今週の予想レンジ=日経平均で9,000円〜9,400円>
今週の東京市場は小幅ながら、6週振りの反発を予想する。①ドバイショックは尾を引くと思われるが、相当規模の信用危機の発生を示唆するような兆候は見当たらず、時間の経過とともに資本市場は冷静さを取り戻すと考えられる。但し、これを契機に②「ドルキャリー」が象徴する、過度なリスクテークへの反省機運が、アンワインドの連鎖に繋がるか否かという点については警戒を続ける必要はあろう。ドルおよび商品市況等の動向を注視したい。また、このショックが覚醒させたのか、官邸に動きが見られる。市場に歓迎されるものか否か、③「対策」にも注目せざるを得ないだろう。(注)上記コメントは基本的に原文どおりですが、冒頭の文章、タイトル、小見出しなど、一部編集してあります。
▼今日の株価予想/
転換線9425円に上昇⇒反発基調が継続へ
T&Cフィナンシャルリサーチ(代表取締役・吉田恒氏/T&C FINANCIAL RESEARCH,INC.)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した----。
東京市場は小幅続伸へ。昨晩の米国市場ではCME225先物が9235円(円建て)と昨日の大証日中終値比で軟調に推移したことや、日本株ADRも軒並み下落しており、朝方はそれに連動する動きが予想される。ただ、昨日の大幅上昇で出遅れた買いが期待できるほか、9000円台前半での年金買い観測、また政策期待などから積極的には売り込みづらい展開か。売り一巡後はTOPIXが先導し上昇に転じる展開が予想され、日経平均は200日移動平均線(30日現在、9377円)の上方に回復できるかどうかがポイント。日経平均の予想レンジは9430円−9260円。
30日のダウ平均は34ドル高と小幅反発。11月のシカゴ購買協会景気指数が市場予想を上回ったことを好感する動きは見られたが、「ドバイ・ショック」の後遺症などを懸念する向きの戻り売りに押される展開へ。終盤までマイナスの動きが続いた。ただ、終盤近くにはドバイワールドが負債のリストラについて、銀行と交渉を進めていると発表したことを受けて、金融セクターが一段高へ。ダウ平均も午前の高値に迫る場面があった。NASDAQやS&P500も反発。業種別では金融、公益、素材などが上昇、生活必需品や通信などが下げた。ドル建てCME225先物は昨日の大証日中終値に比べ85円安の9245円、円建て清算値は95円安の9235円となった。
話題の銘柄
8053住友商事/業績堅調もPBRは過去最低水準に、クレディ・スイスが投資評価引き上げ
クレディ・スイスでは、「上期決算の発表とコモディティ価格の見直しを考慮し、当社業績予想の修正を行った。2010年3月期の当期純利益を1220億円から1200億円へ微修正。上期決算で順調な業績が確認された資源分野は、通期で会社計画に対して上振れて推移すると考えられる。一方でこれを回復が遅れている鉄鋼製品が相殺する見通し。2011年3月期以降の当社業績予想も2011年3月期1740億円、2012年3月期2000億円へ若干修正する。特に銅価格の上昇が利益を牽引すると考える」、「上期決算で収益を牽引した銅、亜鉛などの更なる上昇は株価にプラス材料となる。収益インパクトが比較的大きい銅や亜鉛の価格は会社想定を既に上回っている。(銅価格は下期で5800ドル/トン程度に対し現値約6900ドル、亜鉛価格は1700ドル想定に対し2200ドル)。現状の価格が続けば、計画を更に上振れてくる可能性が高まる」と指摘。今2010年3月期連結当期純利益を会社計画1150億円(EPS92.0円)に対し従来予想1220億円(EPS97.6円)から1200億円(EPS96.0円)へ若干減額したが、来2011年3月期同1720億円(EPS137.6円)から1740億円(EPS139.2円)へ、2012年3月期同1980億円(EPS158.4円)から2000億円(EPS160.0円)へ若干増額。「予想PBRは2010年3月期ベースで0.71倍、2011年3月期ベースでは0.63倍となる。同業他社に比べ3割程度割安に放置されている。
ROEは10%程度と、同業の三菱商事や三井物産と遜色はない。また、収益成長でも大きく見劣りする訳ではない。バリュエーション面での魅力は高い」と指摘。
海外資源会社のPER低下などから目標株価を1110円から1090円に僅かながら引き下げたが、投資評価については「Neutral」から「OUTPERFORM」に引き上げた。
トレーダーズ・ウエブ: http://www.traders.co.jp/
■デフレ下のドル円相場/
デフレ容認中=ドル安円高圧力は続く可能性高い
クレディ・スイス証券、経済調査部ストラテジストの小笠原悟さん(Satoru Ogasawara/Strategist, Credit Suisse Securities Ltd.)は、ドル円レートの均衡モデルでは、円はそれほど過大評価されていないように見えるとしながらも、「90 年代後半以降のドル安円高は、日本の生産性の優位性を反映した良い円高というよりは、デフレの長期化を背景とした悪い
円高である」と捉えている。したがって、「政策当局がデフレを容認しているかぎり、ドル安円高圧力は続く可能性が高い」と見ている−−。
▼FX相場予想/
円買い圧力、あまりに強いのでさすがの私も驚き
AIAの堀内昭利社長(Akitoshi Horiuchi/ President, AIA Business Consulting
Ltd.)は昨夜、為替相場について概ね次のようにコメントした----。
うちは朝4時オープンなんだけど、その前からドタバタとファンドとか米銀がやっていたようで、ドル円など87.45をつけていたというのだから呆れた。
そんな時間の値段など仲間内値段みたいなものだから無視。意味のない大幅円安スタートだったが、日本政府が円高対策なんてやると思ったのかねえ。というわけで結局元の木阿弥。円買い圧力があまりに強いのでさすがの私も驚いている。
いまだに米ドルは復活するとか述べているのがいて、しかもそれを書きたてるマスコミがいて、いかにお粗末な発想が蔓延しているのかよくわかる。ドルが上がるって話をもう何年やっているんだい?日本の都合で相場が動くわけでないよ。相手がいるんだからね。(11月30日。夜。)
▼FX相場予想/
ドル売り、クロス円戻り売りを基本戦略と考える時期
マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/
President CEO, Matt Capital Management)は昨夕、FX相場の動向について次のようにコメントした----。
【30日】ドバイショックも少し落ち着いてきました。しかし、まだ世の中にはこんな話が眠っているのではないだろうかという疑念を多くの投資家に感じさせたことは間違いありません。30日は、これまで下がりすぎた反動で株価も大きく戻しています。しかし、これは本格的な回復ということでは決してありません。戻りはしっかりと売りたいなと思います。為替も同様、86円台を回復して、週明けを迎えましたが、頭は重い。ドルを売る。或いはクロス円の戻り売りを基本戦略と考えておく時期なのでしょう。
▼今日の債券相場/
終日もみ合い、入札結果次第で急伸もあり得る
シティグループ証券・投資戦略部、経済・金利戦略グループ、チーフストラテジ
スト(マネジングディレクター)の佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief
Strategist, Citigroup Securities Ltd.)は今朝、債券相場(長期金利)予想について、概ね次のようにコメントした----。
本日の想定レンジとコメント
昨日のNY ダウは前日比34.92ドル高の10,344.84ドル。一方、米10年国債利回りは1bp低下の3.19%(6 時34分現在、ブルームバーグ)。円/ドル相場は1ドル=85円台を見たが、現在、86円30銭近辺。したがって、これらはあまり手掛かり材料にならない。
本日の注目は10 年国債入札である。クーポンは1.3%が見込まれ、償還が伸びるため、昨日のW.I.は1.300%。1,000 億円増発されても、アンダーパーには一定の投資家需要があると見込ま
れ、したがって、セカンダリーを含めた結果を心配する必要はなかろう。しかし、それが再度の強気相場を牽引するようなものになるかと問われれば、予見はできない。正に、投資家次第と言わざるを得ない。
▼NY金相場/
ドバイ破綻危機=弱材料、中国高官の発言=強材料
スタンダード・バンク東京支店(コモディティ・トレーディング)支店代表・副支店長の池水雄一さん(Yuichi Ikemizu/ Head of Commodity Trading, Japan,Standard Bank Plc)は、NY金相場(Overnight Ranges)について、概ね次のようにコメントした----。
昨日もちょっとしてドバイショックがありました。アジアの時間中にドバイの三公社の株式取引が中止になったというニュースにより、金売り、ドル買いがおき、金は1177ドルから1165ドルへものの15分で下落。その後はじわじわと戻す展開でした。結局行って来いで、ニューヨークの引けは1179ドルでした。とりあえず1195.50という歴史的高値が天井になっています。これまで天井がなかった状態からは開放され、マーケットも1150-1190ドルというレンジでの取引がしばらくは続きそうです。ドバイ破綻の危機が弱材料、中国高官の発言が強材料です。
その他のメタルは基本的に独自要因はなし。ゴールドに追随が続いています。
▼米欧商品相場/
LMEアルミ=急反発、コーヒー=期近が急反発
投資情報会社オーバルネクスト(社長・坂元修二氏)発行のメルマガ『朝らく!最速コモディティ情報』(本日号)に掲載された30日の海外商品市況は次のようになった----。
【LMEアルミ=急反発、ドバイ不安の後退で買い進まれる】
アルミ3カ月物は急反発。利食い売りで押される場面もみられたが、ドバイ不安への懸念が後退、リスク許容度の回復予想やファンド買い予想で急速に地合いを強めた。
【NYソフト=粗糖が反落、コーヒーは期近が急反発】
ニューヨーク粗糖は期近が反落。3月限は、20日の高値に顔合わせして始まったものの、その後は積極的な買いが続かず、レンジ内で軟調に推移した。
ニューヨーク・アラビカは、期近が急反発。3月限はブラジル産コーヒーの品質低下懸念の強まりや、チャート面からの動きなどを背景に、9日以来の水準へと急伸した。(オーバルネクスト シカゴ)
情報提供:株式会社オーバルネクスト: http://www.ovalnext.co.jp/
メールマガジン登録:http://www.mag2.com/m/0000049479.html
ニュース・チェック
★東証1+2部時価総額(30日)=281兆9341億円(前日比+9兆2322億円)
★ニュース・ヘッドライン
午前の東京株式市場=株価は、昨日の大幅上昇を受けて利食い売りか。日経平均が終値で前日比−88.88円安の9,256.67円、またTOPIXも同−8.57安の831.37、JASADAQ指数は同−0.09安の45.64となった。
業種別株価指数の騰落率ランキングでは、東証33業種のうち上昇したのは6業種。小売業、医薬品、食料品などが上位を占めた。
午前の東京外為市場=為替相場は円高安定。ドル円相場は86円台前半で推移、ユーロ円は129円台後半で推移している。
★澤上さわかみ投信社長の投資コメント=預貯金の一部買うだけで、日本経済は元気一杯に!
さわかみ投信・社長の澤上篤人さんは、日本経済と長期投資の関係について、次のように語った----。「高度成長時代の日本では国民はひたすらまじめに働いているだけで、経済は放追っておいても拡大発展した。いまや成熟段階に突入した日本経済では、いくらまじめに働きたいといっても、雇用は不安定になるし給料も下がる。ところが、預貯金に眠らせている資金の一部を株買いに回すだけで、縮小均衡をたどる成熟経済は一変して元気一杯になる。」
★注目企業=IR情報+ニュースリリース
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